研究分担者 |
山本 仁志 新潟大学, 農学部, 教授 (30018543)
中田 誠 新潟大学, 農学部, 助教授 (80217744)
田口 洋治 新潟大学, 工学部, 助教授 (90018490)
宮内 信之助 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90018672)
土井 希祐 新潟大学, 工学部, 教授 (60134954)
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研究概要 |
(1)pHと溶出元素による酸性化土壌の評価 新潟県の降水のpHの年平均値は4.6で,潜在的に土壌へ影響を及ぼしていると推定される。一方では,土壌には酸性化に対して緩衝作用があり,酸性化が進行したか否かの判断には長期間の観察が必要である。主に新潟県内の土壌を対象として,土壌のpH及び溶出成分を分析し,酸性化の進行の程度について検討し,以下の結論を得た。 (1)pHの測定結果から,新潟県の土壌の酸性化は少しずつではあるが進行していると判断された。 (2)深さ方向の土壌のpH測定結果より,土壌の酸性化の進行程度を評価できることがわかった。 (3)低いpHの土壌からはアルミニウム,マグネシウムが比較的多く溶出し,カルシウムは既に酸性化の進んだ土壌からは殆ど溶出しなかった。溶出成分の種類,量は土壌のpH値と密接な関係がある。 (2)ザラメ雪及び球状氷からの酸性イオンの溶出現象 (1)硫酸イオンを含む球状氷をカラムに充填し,融解し,流出液中の硫酸イオン濃度を測定した。球状氷は二つの異なる方法で生成した。一つは直径18mmのプラスチック製の型を用い,12時間冷凍して球状氷を生成した。もう一つは,-30℃の冷媒中に硫酸イオンを含む溶液を滴下し,3.5mmの球状氷を短時間に生成した。 (2)有機溶媒中で直径18mmの球状氷を融解し,融解量の時間変化より,球状氷中の硫酸の濃度分布を推定した。 その結果,カラムに充填した場合,最初に流出する液の硫酸イオン濃度は高く,後に流出する液中の硫酸イオン濃度は低かった。融解と凍結の繰り返しで,最初の流出液中の濃度は高くなる現象を確認した。有機溶媒中で溶解した結果では,球状氷中の硫酸の濃度分布は偏奇していて,球の中心より表面の濃度が見かけ上高く観測された。氷生成時の硫酸イオン濃度が高いと,分布は一様になる傾向にあった。球表面で観察される濃度の最大値は,カラム法で観察された最初の流出液濃度より低い値であった。
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