研究概要 |
1.照葉樹林の樹林面積と種多様性 日本海側における両者の関係を明らかにし(石田ほか,2001),それ以前に報告した2地域の結果を合わせてその結果を成果報告書にまとめた。樹林面積と種多様性についてはいずれの地域においても相関が認められ,回帰直線の傾きはほぼ一致した。 2.照葉樹林フロラ 九州以北(服部・南山,2001),国内全体(Hattori et al.,2003)の照葉樹林フロラを明らかにした。国内の照葉樹林構成種数は1008種であった。構成種のうち約30%の種が各都府県で絶滅危惧の状態にあることが明らかとなった(服部ほか,2002)。 3.照葉樹林の種多様性維持に大きく寄与するギャップ相 ギャップ相は夏緑系植物の生育の場であることはすでに報告されていた。本調査によって,ギャップ相は夏緑系植物だけでなく,照葉樹林構成種にとっても生育の場であることがわかった。ギャップ相は成熟相よりも地生植物の種多様性維持に大きく寄与している(服部ほか,2004)。 4.各種環境条件と種多様性 微地形条件,土壌条件,海抜条件,気温条件と種多様性との関連を明らかにした(小舘ほか,2001;服部・浅見ほか,2003;服部・南山ほか,2003)。
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