研究課題/領域番号 |
13680674
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
坂口 和彦 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80264795)
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研究分担者 |
大船 泰史 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20142078)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | α-ヒドロキシシラン / クライゼン転位 / [3,3]シグマトロピー転位 / α-置換アミノ酸 / α-シリルカチオン / 逆ブルック転位 / 連続[1,2]移動 / 酸触媒転位 / α-アシロキシシラン / ケイ素含有アミノ酸 / ビニルシラン / 不斉転写 |
研究概要 |
炭素・炭素結合生成とその立体制御を効率的に行うための有効な手段の開発を目的として、活用例の乏しいα-ヒドロキシシランを用いて次の不斉転写型炭素・炭素結合反応を行った。 (1)トリアルキルシリル基の立体遮蔽効果を期待し、α-ヒドロキシアルケニルシランのα-アミノ酸(Boc-Gly、Boc-Ala、Boc-Phe)エステル誘導体のエステルエノラート型クライゼン転位によりビニルシランをもつ光学活性アミノ酸の合成に成功した。その結果、α-ヒドロキシシランが電子環状反応において有用な不斉転写基であることが実証できた。得られた生成物は、それ自身にユニークな生理活性が期待され、また生理活性アミノ酸の合成前駆体としても有用と考えられる。 (2)最近、我々は、光学活性α-ヒドロキシシクロプロピルシランを酸性条件に付すことによりケイ素のα位にカチオンが発生し、不斉を保持しながら転位反応が進行することを見出した。ケイ素のα位にカチオンを積極的に発生させた研究例はこれまでにない。本活性種の合成反応への利用を目的として、α-シリルカチオンの生成条件や化学反応性等の基礎的な知見を得るために、α位にシクロプロパンや炭素多重結合が連結した種々のα-ヒドロキシシランを合成し、酸性条件下におけるα-シリルカチオンの生成と反応性を調べた。その結果、α位にシクロプロパンが置換した基質ではα-シリルカチオンを経て環開裂または[1,2]アルキル転位がいずれも不斉を保持して進行すること、α位にアルケニル基が置換した基質では不斉が一部保たれてアリル転位が起こること、α位にアルキニル基が置換したα-メシルオキシシランでは転位により光学活性アレーンを与えることを見出した。また、α位にアルキニル基およびアルキル基が置換したα-ヒドロキシシランは酵性条件では反応しないことがわかった。
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