研究課題/領域番号 |
13680694
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田村 茂彦 九州大学, 理学研究院, 助教授 (90236753)
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研究分担者 |
藤木 幸夫 九州大学, 理学研究院, 教授 (70261237)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ペルオキシソーム / ペルオキシソーム欠損症 / CHO変異細胞 / ペルオキシソーム形成因子 / 病因遺伝子 / 膜タンパク質 / AAAファミリー / 蛋白質-蛋白質間相互作用 / AAAファミリータンパク質 / 患者解析 / タンパク質相互作用 / 機能相補クローニング / 温度感受性 |
研究概要 |
1)E群(米国1群)の病因となる遺伝子変異を系統的に解析したところ、比較的軽症型の乳児型Refsum病患者由来の細胞ではPEX1の843番目のGlyがAspに置換した変異が存在していた。これはペルオキシソーム形成の回復が温度感受性を示す原因変異であり、この温度感受性変異は患者の臨床症状において軽症型を与えるという非常に興味深いかつ重要な知見を見いだした。また重症型のZellweger症候群で同定されたL664Pおよび634de1690変異は、Pex6pとの結合能を著しく低下させることも明らかにした。つまりこれらの変異近傍のATP結合モチーフを含んだ領域はPex6pとの結合に重要な役割を果たしていることを示唆していた。 2)ペルオキシソーム欠損症における相補性群の中でA群(米国8群)および6群については相補遺伝子が単離されていなかった。そこで、6群の患者由来線維芽細胞の表現型および相補性について再検討を行った。その結果、4群の相補遺伝子として単離されているPEX6が同様に相補遺伝子であることを示した。つまり6群は4群と同一の相補性群であり、ヒトペルオキシソーム欠損症は最終的に12の相補性群に分類されることを明らかにした。 3)A群に属するペルオキシソーム欠損性の変異CHO細胞ZP167を用い、機能相補クローニングを行った。その結果、ペルオキシソーム形成能を回復させるヒトcDNAの単離に成功した。このcDNAクローンの塩基配列は305アミノ酸からなるタンパク質をコードし、これまでに報告されているすべてのペルオキシンとも顕著な相同性が認められないことから新規ペルオキシンPex26p(PEX26)と名づけた。Pex26pはPex6pを介してPex1pと複合体を形成し、Pex6pおよびPex1pの細胞内局在やこれらの機能に密接な相関を持つことを明らかにした。また、ヒト欠損症患者におけるPEX26変異と機能障害の相関について解析し、病因となる遺伝子変異と臨床病型との相関について興味深い知見を得た。以上のようにA群の相補遺伝子であるPEX26を単離することで、ヒトペルオキシソーム欠損症における全病因(遺伝子)の解明を達成できた。
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