研究課題/領域番号 |
13680709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮澤 恵二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40209896)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 細胞増殖因子 / プロテアーゼ / インヒビター / プロセシング / インイビター |
研究概要 |
HGF activator inhibitor type-1 (HAI-1)は、肝細胞増殖因子(HGF)の活性化酵素であるHGF activator (HGFA)の阻害タンパク質である。HAI-1は2つのKunitzドメイン(N-末端側のKunitz I, C-末端側のKunitz II)をもつ膜貫通タンパク質として生合成され、プロセシングにより、Kunitz Iのみからなる40kD HAI-1、両方のKunitzドメインをもつ58kD HAI-1として分泌される。(1)HAI-1のプロセシング産物の機能を明らかにするためにCHO細胞を用いて各種HAI-1変異体を大量調製し、機能解析をおこなった。まず、両Kunitzドメインについて、各々、欠失変異体を作成し、HGFAに対する阻害活性が主にKunitz Iにあることを明らかにした。一方、HAI-1の全長タンパク質はHGFAに強い結合性を示すが、58kD HAI-1はHGFA結合能が非常に低い。58kD HAI-1の各KunitzドメインのP1部位に変異を導入して検討した結果、Kunitz IとKunitz IIが相互にマスクしあってお互いの機能を抑制することをつきとめた。(2)ラットに部分肝切除手術をおこなうと24時間後の残余肝中のpro-HGFの量は顕著な増加を示すが、HGFの活性化はたいへん微弱である。そこで、門脈から活性型HGFAを投与し、肝再生への影響を検討した。HGFAの投与は残余肝のpro-HGFを活性化し、HGF受容体であるc-Metのチロシンリン酸化を誘導した。また、肝細胞のラベリングインデックスを増加させ、肝重量の回復を促進した。しかし、肝再生の促進に必要なHGFAの投与量は非常に多量であった。この結果は、HAI-1のような組織由来のインヒビタータンパク質が生体内ではHGFAの活性を抑制している可能性を強く示唆する。
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