研究課題/領域番号 |
13680711
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
井戸 正流 三重大学, 医学部附属病院, 助教授 (90167263)
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研究分担者 |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | トロンビンレセプター / セリン・スレオニンキナーゼ / 血小板 / μ-calpain / μ-calpain |
研究概要 |
トロンビンレセプターは3種類(PAR1、PAR3、PAR4)存在するが、ヒト血小板ではPAR1とPAR4が発現し、PAR1が主要なトロンビンレセプターとして働いている。PAR1は7回膜貫通構造をもつG蛋白共役型受容体の一つで、トロンビン刺激により活性化され、産生されたIP_3が細胞内Ca^<2+>を上昇させる。これに伴い、PAR1のC末側の細胞内ドメインがリン酸化される。我々は、血小板におけるPAR1の細胞内ドメインを特異的にリン酸化する酵素を調べるために、PAR1の細胞内ドメインを大腸菌にグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白として発現させた。この融合蛋白をゲル内リン酸化法のin vitroの基質として用いたところ、血小板内にトロンビン刺激により新たに活性化される33kDaリン酸化酵素が検出された。同じ7回膜貫通構造を持つβアドレナリンレセプターはG protein-coupled receptor kinase 2 (GRK2)やGRK3によりリン酸化される。そこで、33kDaリン酸化酵素がGRK2やGRK3と関係があるか否かを調べるために、トロンビン活性化ヒト血小板抽出液からDEAE-Sepharose, Heparin-Sepharoseを用いて、この酵素を粗精製した。GRK2やGRK3に対する抗体を用いたWestern blotting法で粗精製した33kDaリン酸化酵素との反応性を検討したところ、この酵素はこれらの抗体と反応しなかった。また、同じ7回膜貫通構造を持つβアドレナリンレセプターやPAR4の細胞内ドメインはリン酸化しないことから、33kDaリン酸化酵素はPAR1に特異的な細胞内ドメインリン酸化酵素と考えられた。また、この33kDaリン酸化酵素の活性化過程では細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が必須であるが、阻害剤を用いた実験よりμ-calpainがこの33kDaリン酸化酵素の活性化に関与していることが明らかになった。
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