研究課題/領域番号 |
13680731
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
片桐 達雄 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (00233742)
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研究分担者 |
矢倉 英隆 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 参事研究員 (60166486)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | B細胞抗原受容体シグナル / Lipid Raft / GEM / CD45 / チロシン脱リン酸化酵素(PTP) / チロシンリン酸化酵素(PTK) / Src-family PTK / Lyn |
研究概要 |
われわれはB細胞抗原受容体(BCR)シグナル伝達系において、CD45が特定のSrc-family kinase(SFK)の活性を抑制的に制御することを報告してきた。本研究では、この抑制制御がBCR刺激によって、どのような機構で解除されるのかをLipid raftにおける分子会合の観点より検討した。この結果、CD45がきわめてニニークな形でBCRシグナルの開始を制御する機構が示唆された。 (1)Raftにおけるシグナル伝達分子の挙動 マウスB細胞株WEHI-231、BAL-17そして脾臓B細胞を材料としてGlycolipid Enriched Membrane画分(GEM)を調整した。これら細胞の全てにおいて、恒常的なSFKのGEMへの集積が認められた。また、Ig-β・Ig-αもGEM画分に存在した。 (2)CD45の経時的な動態解析 CD45は、刺激以前から一部がGEM画分に存在していた。興味深いことに、CD45はBCR刺激に伴い、一過的にBCRが存在するRaft画分から解離した。この結果は、WEHI-231、のみならずマウスB細胞においても観察された。 (3)BCR刺激前後におけるRaft内外のPTK活性の比較とCD45の作用点解析 CD45欠失B細胞を用いた実験では、BCR刺激以前からGEMのSFKのチロシンリン酸化の亢進が認められ、酵素活性は恒常的に活性化状態であった。この時GEMで活性化状態にあるSFKの亢進リン酸化チロシン残基はポジティブ制御部位とネガティブ制御部位の双方であった。さらに、CD45陽性細胞でCD45はBCR刺激以前にはGEMに存在するが、刺激直後にGEMから解離し、暫時回復した。 GEMは生化学的に分画した細胞膜Lipid Raft画分であると考えられる。したがって、以上の結果はBCRシグナル伝達機構におけるSFK活性制御は、CD45のLipid Raftとの会合により支配される可能性を強く示唆するものである。 現在、CD45がLipid Raftと会合・離脱する機構を解析中である。
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