配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
転写活性化因子からの転写シグナルは、MediatorやTAP(TBP-associated factor)のような仲介因子を経て、RNAポリメラーゼIIと基本転写因子(TBP, TFIIB, TFIIE, TFIIFとTFIIH)から構成される転写開始複合体に伝達される。酵母菌の分子遺伝学的方法を用いた研究により、RNAポリメラーゼIIのカルボキシ末端領域(CTD)をリン酸化するTFIIHのキナーゼ(KIN28遺伝子産物)は、熱ショック遺伝子のようなストレス応答性遺伝子の転写には必須ではないことが示された。 本研究では、Kin28非依存的な転写は、熱ショック転写因子(Hsf : heat shock factor)により調節されることを示した。また、Kin28の活性を調節する基本因子のTFIIEは、銅メタロチオネインをコードするCUP1遺伝子の銅誘導性転写には必要なかった。CUP1の転写は、Hsf1とAce1(銅誘導性の転写活性化因子)により制御されている。さらに、Kin28やTFIIE非依存的な転写のメカニズムについて解析を行い、次のことを明らかにした。 1.TFIIE非依存的なCUP1の転写活性化は、 Mediator複合体の構成タンパクにより行われる。 2.もう一つの仲介因子であるTAFは,Hsf1によるKin28非依存的な転写に関与する。 3.Hsf1のC-末端側がTAFに結合しKin28非依存的な転写を行う。 4.Hsf1のC-末端には、熱ショックにより誘導されるHsf1のリン酸化を制御する領域がある。 これらの結果より、ある特殊な転写活性化領域が、転写反応の主経路に必須であるいくつかの基本転写因子の必要性を決めることが示された。
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