研究課題/領域番号 |
13680769
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
小山 秀機 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (40085626)
|
研究分担者 |
荒谷 康昭 横浜市立大学, 付置研究所, 助教授 (30192470)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | DNAポリメラーゼβ / DNA修復 / ノックアウトマウス / 神経発生異常 / 細胞死 / チェックポイント / 突然変異 |
研究概要 |
1、DNAポリメラーゼ(ポル)β欠損マウスにおける神経発生異常の解析 ポルβ欠損マウスで得た興味深い視察は、神経細胞の発生時に起こる異常な細胞死である。この観察はDNAの2重鎖切断修復に関与するXRCC4やDNAリガーゼIV欠損マウスの性状と類似しており、発生期の神経細胞に内在的なDNA損傷が生じるが、これは何らかの修復機構よって修復されると予想される。そこで、ポルβ欠損マウス脳において発生する神経細胞内でどんなDNA損傷が起こるのか、どのように細胞死へ誘導されるのか、を解析した。そのため、ポルβ欠損マウスとDNA-PK変異をもつScidマウスと交配し、2重変異マウスを作成した。この2重変異マウスは、ポルβ欠損マウスに比べて早期に致死となり、ポルβ欠損マウスより多くの細胞死が認められた。一方ゲノム安定化に関与するp53遺伝子欠損マウスと交配を行って得た2重変異マウスは脳の細胞死が明らかに減少したが、生存の延長は認められなかった。このことから、ポルβが脳におけるDNA切断の修復に重要な役割を果たしていると考えられる。 2、ポルβ欠損マウスのゲノム安定性の解析 ポルβはDNA修復酵素なので、欠損は遺伝子変異やゲノムの不安定性に導くと予想される。また、ヒト癌組織でポルβ遺伝子の変異がみられ、ポルβの発ガンへの関与も示唆されている。個体におけるこれらの問題点を明らかにするため、ポルβ欠損マウスと遺伝毒性の検出用に作製されたHITECマウスと交配を行い、得られた交配マウスの突然変異に及ぼすポルβ欠損の効果を調べた。ポルβ欠損マウスとのHITEC交配マウスの各組織における染色体DNAの突然変異を調べた結果、脳においてポルβ欠損マウスは野生型マウスに比べ、低頻度で突然変異を生じることが明らかになった。さらに、得られた突然変異体の塩基配列の決定を行い、ポルβ欠損に関わらず欠失が多く認められた。この結果は、Polβが突然変異の生成に関与していることを示唆している。
|