配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
MAPキナーゼ(MAPK)経路における足場タンパク質は、シグナル伝達の特異性保持に関わる重要な制御因子である。我々はJNK MARK経路の足場タンパク質として機能すると考えられる2種類のJNK結合新規タンパク質(それぞれJSAP1,JNKBP1と命名)を同定した。本研究ではさらに解析を行い、以下の研究成果が得られた。1.JSAP1,およびJNKBP1のファミリーメンバー(それぞれJSAP2,JNKBP2と命名)を新たに同定した。2.酸化ストレスにおいて重要な役割を担うASK MAPKKKとJSAP1の関係について検討し、JSAP1はASKによるリン酸化依存的にASK/JNK経路の足場タンパク質として働くことが強く示唆された。3.JSAP1の生理的機能を明らかにするためJSAP1ノックアウト(KO)マウスES細胞を作製し、in vitro分化系を用いて解析を行った。その結果、JSAP1は神経細胞への分化、および神経細胞の突起伸長等において重要な役割を担っていることが示唆された。4.JSAP1はキネシンを介して神経細胞の成長円錐に輸送されることがすでに報告されているが、変異JSAP1を用いた解析からこの輸送はJNK非依存的であることが強く示唆された。以上の研究成果に加え、今後さらに解析を進めることによりJSAP1,JSAP2,JNKBP1のin vivoにおける機能を明らかにすることができると考えられる。現在、Cre-loxP系を用いたJSAP1 KOマウス、JSAP2 KOマウス、およびJNKBP1 KOマウスの作製に取り組んでいる。また、JSAP1,JSAP2,JNKBP1によるシグナル伝達の特異性保持機構を分子レベルで理解するため、酵母2ハイブリッド法による結合タンパク質のスクリーニングも行っている。
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