研究課題/領域番号 |
13680802
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
前野 貢 新潟大学, 理学部, 助教授 (10190315)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 両生類 / 胚血球 / 血管内皮細胞 / BMP-4 / FGF / オーガナイザー / 誘導 / 分化 |
研究概要 |
本研究課題では、両生類Xenopus laevisを用いで、第一に、胚における原始赤血球の分化を制御している誘導因子の性状解析、第二に血球と血管内皮細胞の分化が互いに関連しあっているのかどうかの検証をおこなった。まず血球誘導における胚葉間相互作用を明確にするため、植物極細胞質除去胚を用いた実験を行った。植物極細胞質除去胚は背側構造を失い中胚葉からは主に赤血球のみが分化する。血球細胞の誘導に対する外胚葉細胞の重要性を調べるため、細胞質除去胚または対照胚が胞胚期に達した時に、動物極組織の切除を行った。細胞質除去胚から動物極組織を除くと、赤血球の分化マーカーα-globinの発現量は動物極細胞の除去量に応じて減少した。また、血球分化における外胚葉細胞の重要性は、外胚葉と中胚葉の接触を断ち、両者の間の相互作用をなくした外原腸胚においても示された。従って、中胚葉からの血球細胞の分化には、内胚葉からの中胚葉誘導活性に加えて、隣接する外胚葉細胞による特異的な誘導作用が必要である事が明らかとなった。次に、血管内皮細胞の分化マーカーtie-2の発現を指標に血管内皮細胞と血球の分化を制御している因子の検索をおこなった。BMP-4(骨形成蛋白質)を過剰発現させた外植体においては、赤血球の分化が誘導されるのみならず血管内皮細胞の分化も促進された。また逆に内在性のBMPシグナルを阻害された外植体では血球、血管内皮両系列の細胞分化が阻害された。従ってBMP-4が両系列細胞の分化に必須であることがわかった。一方BMP-4のみで血球と血管内皮細胞がどのように分岐してくるかを説明することができず、本研究ではFGF(繊維芽細胞増殖因子)がこれら2つの系列細胞の分化にかかわっていることを発見した。以上より、発生過程における血球、血管内皮細胞の分化は互いに密接にかかわり合っており、それらの分化は特定の分子によって統合的に制御されているごとが明らかとなった。
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