研究課題/領域番号 |
13680807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
荒木 正介 奈良女子大学, 理学部, 教授 (00118449)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | イモリ / 網膜再生 / 色素上皮 / ニューロン / FGF / IGF / 器官培養 / 脈絡膜 / IGF-1 / BrdU / 組織間相互作用 |
研究概要 |
イモリの網膜を除去すると、色素上皮細胞の増殖、ニューロン分化を経て網膜が再生する。網膜を除去するとなぜ網膜色素上皮細胞が分化転換し、組織を再生するのか、未だに謎である。本研究では、研究代表者が開発したイモリ眼組織の器官培養法を用いて、この問題にアプローチした。特に、網膜の再生過程で、色素上皮の分化転換がどのようなメカニズムによって起きるのか、特に隣接する組織との相互作用について研究をおこなった。 今回、色素上皮シートだけを単離して培養することに成功し、従来行ってきた脈絡膜(結合組織)付きの色素上皮器官培養と比較することが可能となった。これによって次のような結果が得られた:(1)色素上皮シートの単独培養ではニューロンの分化はおこらない。(2)しかし、色素上皮シートを再び脈絡膜と結合するとニューロンが分化する。(3)色素上皮単独シートの培養にFGF-2を添加すると、増殖、ニューロン分化がおこる。FGF-2に加えてさらにIGF-1またはinsulinを添加するとこの過程は非常に促進される。(4)色素上皮と脈絡膜をフィルターで隔離して培養すると、色素上皮は一定程度の変化(脱色素、増殖、移動)を示す。これらのことから、色素上皮がニューロンに分化転換するには、脈絡膜由来の拡散性の因子が必要であり、これなくしては網膜再生はおこらない。FGF-2やIGF-1がその候補分子と考えられる。 今後は、これらの成果を踏まえて、実際の再生過程で機能しているメカニズムの解明に向けて研究を展開することが重要な課題となった。
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