配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
肢芽でShhとFGF4は正の相互誘導作用により発現維持され,肢芽前側に適用したShhで近傍のAERにFGF4が誘導される。FGF4はShhの発現維持は出来るが,肢芽形成後ではFGFによるShhの誘導は起こらないと言われていた。しかし,後肢芽ではAER前端直下にFGF4を適用すると近傍にShhが誘導され,Hoxd13を介して部分的な前後軸の逆転が起こることを見出した。 AERで発現しているWnt10aを予定AER領域で過剰発現するとFGF8の発現が誘導された。AERの形成,維持にはβカテニン経路が関与しているが、Wnt10aの作用で細胞質内にβカテニンが蓄積されることを確認した。 抗体染色で調べるとephrin-A2とEphA4の肢芽での発現は相補的で,ephrin-A2は近位で,EphA4は遠位で強い。両者の発現はAER由来FGFにより調節される。肢芽先端部でephrin-A2を過剰発現させると指骨で部分的融合や分岐異常などが起こる。ephrin-A2の過剰発現では肢芽間充織の軟骨結節形成が抑制された。 Wnt活性を阻害するSfrp3や優性欠損型LEF1の過剰発現では軟骨細胞に対する効果が類似し,肢芽軟骨細胞は未成熟状態に維持される。一方Wnt8の過剰発現や活性型LEF1の効果は類似し,これらは軟骨細胞の成熟,肥大化,石灰化を促進した。 Wnt5a, Wnt11,Wnt7a, Wnt3aなどは肢芽で領域特異的に発現している。これらを肢芽で過剰発現すると筋芽細胞の増殖と分化が変化する。Wnt5aは遅筋の分化を促進し,速筋の分化を抑制する。この効果は優性欠損型のWnt11の過剰発現でも見られるが,野生型Wnt11の過剰発現では逆に遅筋の分化を抑制し,速筋の分化を促進する。Wnt3aでは筋芽細胞の増殖が抑制され,遅筋は減少する。Sfrp2は筋芽細胞の前駆細胞で発現し,その過剰発現では筋肉分化が阻害される。
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