研究課題/領域番号 |
13680820
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
|
研究機関 | 特殊法人理化学研究所 (2002) 京都大学 (2001) |
研究代表者 |
水関 健司 (2002) 理化学研究所, 細胞分化・器官発生研究グループ, 研究員 (80344448)
河崎 洋志 (2001) 京都大学, 再生医科学研究所, 講師 (50303904)
|
研究分担者 |
水関 健司 理化学研究所, 発生再生科学総合研究センター, 研究員
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 神経誘導 / 領域特異性 / ES細胞 / 間質細胞 / SDIA / レチノイン酸 / Shh / BMP4 / 神経分化 |
研究概要 |
近年、ショウジョウバエやアフリカツメガエルを用いて、未分化外胚葉より神経前駆細胞にいたる初期神経発生の分子メカニズムが明らかとなってきた。次の主要な問題点は、ほ乳類動物における初期神経発生の分子メカニズムと、多彩な神経細胞の個性を決定する分子メカニズムの解析である。我々は、ほ乳類動物のES細胞を用いてこれらの問題に取り組んでいる。 まず、マウス並びにサルのES細胞から神経細胞をin vitroで効率よく分化させる系を確立した。ES細胞との共培養系を用いて、いくつかの間質細胞にマウスES細胞から神経分化を促進する活性(SDIA, stromal cell-derived inducing activity)があり、特に頭蓋骨由来の間質細胞であるPA6細胞は高率(90%以上)に神経分化を誘導することを示した。 次にSDIA法によりES細胞から誘導された神経前駆細胞の領域特異性を様々な領域特異的マーカーで調べた。前後軸では前脳・中脳・後脳のマーカーが誘導されたが脊髄のマーカーは誘導されなかった。背腹軸では腹側から背側まで広い範囲のマーカーが誘導されることがわかった。 そこで、SDIAによって誘導された神経前駆細胞に、今までに初期胚で神経のパターニング活性を持つことが知られている因子を作用させることによって、領域特異的な神経組織が誘導されるかどうかを調べた。後方化の活性のあるレチノイン酸によって前脳・中脳のマーカーは抑制され、脊髄のマーカーが誘導された。腹側化因子として知られるShhにより背側の神経組織の誘導は抑制され、運動神経・底板などの腹側の神経組織が誘導された。背側化因子として知られるBMP4により腹側の神経組織は抑制され、背側の神経組織並びに神経堤由来の神経が誘導されることがわかった。SDIAと既知のパターニング因子を組み合わせにより、様々な領域特異的神経が誘導されることが明らかとなった。
|