研究課題/領域番号 |
13680828
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 宏 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10014177)
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研究分担者 |
本多 祥子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40287313)
早川 亨 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60322484)
佐藤 二美 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60205961)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | アストロサイト / アクアポリン / クローニング / 培養細胞 / GFAP / Kir4.1 / Western blot / PCR / ECL / aquaporin4 / プライマー設計 / Agarose電気泳動 / 大腸菌 / BLAST |
研究概要 |
脳内で水輸送に関連していると考えられている新規アクアポリンを探索する目的でラットアクアポリン4(AQP4)cDNA配列(Jung et al.1994)を基に設計したプライマーによりラット脳cDNAライブラリーを鋳型としてPCRによりホモロジークローニングを行った。得られたPCR産物をプラスミドpGEMT-Easyにサブクローニングし、アンピシリン添加培地に発現した陽性クローンは43個得られ、そのうちDNAシーケンサーで配列が解読できたのは27クローンであった。BLASTによりホモロジー検索を行った結果、3クローンが既存の塩基配列をは相同性が低く新規なDNA塩基配列であることが示唆された。新規AQP様配列の検索は今後も進行する予定である。 次にアストロサイトで水輸送に関連していると考えられているAQP4ならびにアクアポリン9(AQP9)、アクアポリン5(AQP5)、さらに網膜のミュラー細胞でアクアポリン4と共発現していると報告されている内向き整流カリウムチャネルKir4.1がアストロサイトでどの程度の発現が見られるかを検討するためラット初代培養アストロサイトにおける発現タンパクをWestern blotにより確認した。 ラット脳をトリプリン処理し培養フラスコに播種し3〜4継代した後、SDS、ジチオスレイトールにより細胞を溶解し、SDS-PAGEにより分離後、PVDF膜に転写し、一次抗体(各種抗血清)ならびに二次抗体(HRP標識IgG)を加え、化学発光をX線フィルムにより検出した。 アストロサイトに特異的に発現しているとされている中間径フィラメントの一種であるグリア繊維性酸性蛋白(GFAP)は50KDa付近に単一で強い発現を示した。SWISS-PROTのタンパク質データベースによるとGFAPは49.9KDaであるのでこのバンドはGFAPであると確認した。AQP4は30KDa付近と60KDa付近に2本のバンドを示した。AQP4は2つの翻訳開始点(M1とM23)を有し、M1から翻訳されると34.5KDa、M23ら翻訳されると32.5KDaとなる。このため30KDa付近と60KDa付近に2本のバンドはそれぞれ分子量が高いバンドがM1からの翻訳生成物、分子量の低いバンドがM23の翻訳生成物に相当すると思われる。AQP5ならびにAQP9は60KDa付近に非常に弱いバンドが見らた。SWISS-PROTではラットAQP5は265アミノ酸残基で分子量は28.4KDaでありラットAQP9は295アミノ酸残基で分子量は31.4KDaある。今回検討したWestern blotではAQP5ならびにAQP9とも単量体の分子量を反映せず、二量体と思われる位置にバンドが出現している。Kir4.1は50KDa付近にバンドが見られた。SWISS-PROTではラットKir4.1の分子量は42.5KDaであり、今回のWestern blotで得られた結果と近似していることからKir4.1を同定したものと考えられる。 今後は細胞分画における発現量の検討をWestern blotにより検討を行う。さらには細胞における局在の確認を免疫組織化学的方法により行う予定である。
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