研究課題/領域番号 |
13680836
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
林 謙介 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (50218567)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 神経細胞 / 細胞生物学 / 神経発生 / 軸索 / 生長円錐 / 樹状突起 / 細胞培養 / 細胞移動 / 大脳皮質 / ラット / 細胞極性 / 軸索再生 |
研究概要 |
大脳皮質の発生過程で興奮性ニューロンと抑制性ニューロンは、移動性、突起の形成様式などにおいて著しく異なる行動を取る。それぞれのニューロンに細胞外から作用して発生行動を制御する因子が数多く同定されているが、両者のニューロンが自律的に持つ運動性を比較した研究はない。そこでこれを比較するため、細胞を無血清低密度培養してその行動を観察した。培養直後にどちらの細胞も複数の突起を形成し、そのうちの1本が伸長を続けて軸索マーカーで陽性になった。ほとんど(88%)の興奮性ニューロンでは3日以内に軸索が発生したが、抑制性ニューロンは3日目に8%、6日経っても半分ほど(55%)しか軸索を形成しなかった。軸索形成前の抑制性ニューロンは移動細胞に特徴的な双極性の形態をとり、2本の突起の先端に交互に成長円錐が発生していた。ポリリジン処理基質上であるにも関わらず、発生した成長円錐に向かって核が移動する場面が見られた。自由に細胞を移動させるため、ニューロンをグリア細胞上に培養して観察すると、抑制性ニューロンは興奮性ニューロンよりも活発に移動した。突起と細胞内小器官との力学的な関係の違いが両ニューロンの移動能の差を生みだしていると考えらたため、核と中心体の動きを観察した。興奮性ニューロンでは伸び出した軸索と中心体の位置は無関係であったが、抑制性ニューロンでは成長円錐をもつ突起の方向へ中心体が引き寄せられる現象が見られた。以上のことから、抑制性ニューロンの細胞発生過程には数日間にわたる移動のステツプがプログラムされており、その間軸索の形成が遅れること、また、興奮性ニューロンとは細胞骨格系に違いがあることが示唆された。
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