研究概要 |
(1)マウス胚後根神経節の培養では、ニワトリ胚の場合の様な、ラディシコールの突起伸展効果や生存維持効果を認めることが出来なかった。成マウス、ラット後根神経節から、神経細胞分別し培養を行い、ラディシコールの添加効果を調べた。僅かに突起伸展促進効果が伺えるも、長期では害的であった。(2)ラディシコールの作用メカニズムを調べるため、神経系株細胞を検討。NG108.15、N2a細胞において、ラデイシコールによる突起伸展効果を見出した。SH-SY-5Y, N-Tera, PC12D細胞などでは、アポトーシスが誘導された。(3)Raf1,Akt1,CDK4,CydinD1などの蛋白はHsp90に保護されている。NG108-15細胞を用い,各種蛋白質の量的な変化をウェスターンブロット法により検討した。ラディシコールとゲルダナマイシン処理されたNG108-45細胞では、Raf1,ERK1/2燐酸化ERK1/2が、薬剤の濃度依存的に,また処理時間に依存して低下が認められた。Akt1とCDK4は少し低下が認められたが、Hsp90とCyclinD1の量は変化が見られなかった。ラディシコールとゲルダナマイシン処理による神経突起の誘導はアクチノマイシンにより阻害された。ラディシコールによる神経突起誘導は、Hsp90阻害による特異蛋白質の低下よりは、新たな蛋白質合成の変化によると推察された。
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