研究課題/領域番号 |
13680857
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
上口 裕之 独立行政法人理化学研究所, 神経成長機構研究チーム, チームリーダー (10233933)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 軸索 / 成長円錐 / 神経接着分子 / L1 / エンドサイトーシス / アンキリン / クラッチ分子 / 脂質ラフト / クラッチ / 脂質ミクロドメイン / CALI / Src / N-カドヘリン |
研究概要 |
発生過程の神経系において、神経細胞体から標的組織へ軸索突起が正確に到達することにより中枢・末梢神経路が形成される。成長過程にある軸索突起とその先端部(成長円錐)に発現する神経細胞接着分子の多くは、周囲環境に存在するリガンドを認識しつつ成長円錐の移動を制御・促進し軸索突起を標的へ誘導する。本基盤研究では、免疫グロブリンスーパーファミリー接着分子L1とその結合蛋白アンキリンBの機能解析を行い、下記の知見を得た。1.アンキリンBは、L1細胞内領域とアクチン後方移動を連結するクラッチ分子として機能し、神経突起形成を促進するための牽引力を伝達する。2.アクチン後方移動との連結により成長円錐後方(中心部)へ移動したL1は、AP-2とクラスリンを介する経路により細胞内へ取り込まれ、成長円錐先端縁形質膜へ再挿入される。この細胞内L1トラフィッキングは、成長円錐前後方向の接着性の極性(先端縁での強い接着と後部での弱い接着)の形成・維持に関与し、かつ成長円錐の前方移動に必須である。3.L1とクラスリンアダプターAP-2との結合は、L1細胞内領域の1176番目のチロシン残基のリン酸化により制御される(チロシン脱リン酸化型L1のみがクラスリン経路でエンドサイトーシスされる)。4.このチロシン残基は、細胞膜内の特殊微小領域(脂質ラフト)に存在する非受容体型チロシンキナーゼSrcによりリン酸化される。5.成長円錐周辺部の脂質ラフトはL1依存性軸索成長に必須である。以上、軸索成長の分子機構の解明を行った。
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