研究課題/領域番号 |
13680884
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
金子 律子 (大谷 律子) 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (00161183)
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研究分担者 |
宮下 知之 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所・分子生理学部門, 研究員 (70270668)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | MAPキナーゼ / JNK / ERK / ニワトリ胚 / 神経細胞 / シナプシンI / 女性ホルモン / 視床下部 / p38 / synapsin I / エストラジオール / 共焦点レーザー顕微鏡 / アポトーシス / ラクタシスチン / antisense oligonucleotide / MAPK / PC12h細胞 / プロテアソーム |
研究概要 |
これまでの研究から、c-Jun N-terminal kinase(JNK)およびp38、ERKというMAPキナーゼファミリーに属するキナーゼは、神経細胞の分化に重要な役割を果たしていることがわかってきた。 ニワトリ胚を用いたこれまでの研究から、活性型JNKがニワトリ胚脊髄に出現するが、その分布パターンは発生時期により変化することが明らかとなった。JNKと同じMAPキナーゼファミリーであるERKについても同様に解析をすすめ、活性型ERKの分布パターンも発生過程により、変化すること、またその分布領域はJNKとは異なっていることを明らかにした。さらに、活性型ERKは、希突起膠細胞の前駆体と思われる細胞にも発現していることを明らかにした。 また、ラット胎児視床下部培養実験より、女性ホルモンは視床下部細胞のJNK活性は増加させないがERKの活性を増加させることがわかった。また、女性ホルモンはシナプシンIの陽性領域を増加させるが、この効果は、女性ホルモンの核内受容体拮抗剤、アクチノマイシンD、シクロヘキシミドによってはいずれも抑制されずなかった。また、E2-BSAは、シナプシンI陽性領域の増大をE2と同程度に引き起こした。さらに、ERK阻害剤であるU0126はシナプシンIの陽性領域を激減させ、さらにE2やE2-BSAによるシナプシンI陽性領域の増加も抑えた。以上のことから、視床下部ニューロンに女性ホルモンが作用しシナプシンIの局在を変化させる場合、女性ホルモンは、核内受容体を介してmRNAやタンパクの合成経路に作用するのではなく、膜上に存在すると考えられる受容体(エストロジェン受容体であるかは、未だ不明であるが)を介して、ERKを含む細胞内シグナル伝達系に影響を及ぼしていると考えられた。以上より、MAPキナーゼファミリーに属するJNKおよびERKは神経系発生過程に関与するものの、その機能はそれぞれのキナーゼによりまったく異なっていると考えられた。
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