研究課題/領域番号 |
13680886
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
五味 浩司 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (90293240)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | Cdkl2 / セリン-スレオニンキナーゼ / KKIAMRE / ジーンターゲッティング / ノックアウトマウス / 発生 / 遺伝子発現解析 / 脳高次機能 / 瞬目反射学習 / 小脳深部核 |
研究概要 |
新規マウスセリン-スレオニンキナーゼ、Cdkl2(KKIAMRE)遺伝子の発現制御に関する解析。 サイクリン依存性キナーゼ関連キナーゼ2(Cycling-depelldent kinase-like 2; Cdkl2、KKIAMRE)はウサギにおけるまばたき反射学習に伴って発現増強する新規キナーゼとして我々によって分離されたものである。マウスにおいてCdkl2の発現パターンと神経活動依存性を解析するために、ジーンターゲッティング法によりCdkl2遺伝子ノックアウトマウスを作製した。この変異マウスはコーディングエキソンのアミノ末端に外来性レポーター遺伝子であるLacZを挿入置換したものである。LacZ活性は、生後3日から7日の間に大脳皮質において認められ、その後徐々に活性の上昇が認められ、生後28日ほどで最大活性を示した。成体マウスの脳においてLacZ活性は、嗅球、大脳皮質、海馬、視床核、扁桃核、膝状体、赤核、小脳深部核、脳神経核あるいは脊髄といった部位において広範囲に渡って検出された。Cdkl2の局在と入力依存性発現制御を明らかにするために、小脳プルキンエ細胞を欠くミュータントマウス、LurcherとCdkl2遺伝子ノックアウトマウスを交配することによって、プルキンエ細胞から深部核への抑制性入力を排除した条件下での発現活性を検討した。その結果、この掛合わせマウスの小脳深部核においてCdkl2の発現様式に著明な変化を見い出すことはできなかった。また、Cdkl2遺伝子ノックアウトマウスに由来するニューロンの初代培養系においてグルタメート、高濃度カリウム(KCl)、ホルボールエステルあるいは白血病抑制因子(LIF)といった初期遺伝子群の発現誘導をおこす薬剤の作用について検討したところ、初期発現遺伝子c-fosで認められた発現誘導は、Cdkl2においては生じないことが明らかとなった。以上の結果から、Cdkl2は主に成熟したニューロンにおいて機能を果たしており、初期発現遺伝子とは異なる発現制御を受けていることが明かとなった。
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