研究課題/領域番号 |
13680897
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鈴江 俊彦 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40143565)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 神経発生 / マウス / translacental perfusion / 大脳 / 経胎盤灌流法 / embryo culture / 胎仔 / cell migration / transplacental perfusion |
研究概要 |
哺乳類エンブリオ-子宮を一体として母体外で生存させることを可能にする方法として、研究代表者が世界で最初に開発した方法(Suzue,1990)である経胎盤灌流法を応用して、胎仔脳の単一細胞を、蛍光色素等でラベルし、蛍光顕微鏡等で連続観察し、ニューロンの発生分化の過程を詳細に解析する方法の確立を試みた。妊娠中期マウス胎仔を経胎盤灌流法によりin vitroで生存させ、脳室に脂溶性蛍光色素DiI、DiOを微少量注入して脳室壁の細胞を蛍光ラベルしmigrationの様子を観察した。蛍光色素注入後、顕微鏡の対物レンズを皮膚と頭蓋の一部を除去して露出した脳表面に接近させて体表より観察した。色素は、脳室壁に接する少数の細胞やradial fiberを明るく染色した。励起光を数十分間に一回の間隔で、パルス制御式シャッターにより短時間照射して、細胞を観察したところ、単一細胞の脳組織内での移動を長時間継続的に観察することができた。この方法で多数の実験例について分析した結果、蛍光ラベルされた細胞のうちで高度に活発なmigrationを示す細胞の比率は比較的低いことがわかった。このことの一つの原因として、経胎盤灌流法が胎仔ニューロンの移動に関して最適化されていない可能性が考えられたので、経胎盤灌流法で胎仔に与える酸素量、栄養素と栄養因子の種類と量について検討をすすめ、胎仔中枢神経系の状態のin vitroでの維持に関して大幅な改善を実現することができた。このことは、哺乳類胎仔の生存のレベルに関して様々な状態の多様性が存在していること、胎仔の状態の多様性の検出や多様性を与える条件の分析にin vitro経胎盤灌流法が強力な手段であることを意味しており、経胎盤灌流法が、ニューロンの発生分化のみならず、胎児発育遅延の機構に関する研究を含む哺乳類発生学一般の研究の発展に広く貢献し得る可能性を示していると考えられる。
|