研究課題/領域番号 |
13710005
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
長滝 祥司 中京大学, 教養部, 教授 (40288436)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 身体性 / 実在論 / 相対主義 / 原身体 / 身体 / 言語 / 意味 / 心 / ミーム / 同一性 / 反復 |
研究概要 |
本年度の当初の研究計画は、レイコフ、ジョンソンが提起した「身体化された実在論」の構想を発展させ、実在論と相対主義をめぐる対立にひとつの解答をあたえることであった。前年度の研究との関連でやや敷衍すると、フッサールの生活世界論、後期メルロ=ポンティの存在論、ギブソンの生態学的実在論を参照しつつその成果を展開させることとなる。そのためには、身体論を軸として認知科学の各学科の成果についての有機的な統合の見取り図を描き、人間の認識能力についての総合的な知見を提示することも必要となろう。というのも、実在論と相対主義という問題は人間の認識能力と密接に関係してくるものだからである。具体的には、人工知能(およびロボティクス)と認知意味論をむすぶ軸を身体性の問題として考察した。以上の成果は、"Human intelligence and AI---toward the archaeology of body"というタイトルで、フロリダ州ディルレイにおいてフロリダ・アトランティック大学とThe Center for advanced research in phenomenologyの主催により開催された国際会議Phenomenology as Bridge between Asia and the Eastで公表された。この論文は、表象主義的人工知能研究と創発主義的知能ロボット研究を概観し、そこに現れている問題を現象学的身体論と実在論を踏まえて考察したものである。当初計画の相対主義の克服については、ロボット研究の哲学的意味を考察する過程で行き着いた原身体という概念を精錬することによって達成される。というのも、原身体は世界の相対性を越えるような超越論的意味をもつものだからである。しかし、本論文のなかではこの概念を十分に展開することはできなかった。今後の課題としたい。
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