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写本校訂に基づくクマーリラのアートマン論研究

研究課題

研究課題/領域番号 13710008
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 印度哲学(含仏教学)
研究機関筑紫女学園大学

研究代表者

宇野 智行  筑紫女学園大学, 文学部, 講師 (40331011)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードクマーリラ / アートマン / シャルカリカー注 / ジャイナ教 / サマンタバドラ / 積極的多面説 / パタンジャリ / 偏在性 / 等身大説 / 物理的形態 / 行為主体
研究概要

今年度は,『シャルカリカー注』全体の解読,紙写本のフラットベッドスキャナによるデジタル化を中心に作業をすすめた.最終的なクリティカルエディションの完成には至らなかったが,写本類やテキスト類のデジタル化を大幅にすすめたことにより,読解作業・校訂作業の効率化が格段に進歩し,写本校訂のための作業環境がほぼ完全に整ったと思われる.今年度のフラットベッドスキャナやソフトウェア(アドビアクロバット,フォトショップ)の導入によって,文献参照が非常に容易となり,これらの機器が校訂作業に寄与すること大であった.
『シャルカリカー注』の読解作業においても,これらの機器の導入によって作業効率は上がり,本文中の『シュローカヴァールティカ』テキストに関しての他写本との相互参照が非常に有益であった.また『シャルカリカー注』を読解する上で,『シャルカリカー注』の他章の既出版テキストの入力作業を行い,全テキストのデータ化が完了した.以上の作業により次のような知見が得られた.
1.『シャルカリカー注』におけるアートマンの常住性の解釈は,他の二注釈と比較して簡素であるが,よりジャイナ教存在論との親近性を示している.特に,相対的常住論についての記述は,「ある点から見れば」という表現を多用し,ジャイナ教論師とりわけサマンタバドラの積極的多面説との思想的共通基盤をうかがわせる.
2.『シャルカリカー注』形相章における存在論を読解することにより,クマーリラの考える相対的常住論が,シャバラスヴァーミン,パタンジャリなどの彼に先行する論師たちの影響を色濃く受けていることが確認できた.特に,パタンジャリの『マハーバーシャ』における記述は,クマーリラのみならずジャイナ教の存在論にも影響を与えており,両者の思想的基盤が直接的には『マハーバーシャ』に求められることが明らかとなった.またパタンジャリの見解が『チャーンドーギャ・ウパニシャット』の記述を元にしていることも確認できた.
2の知見に関しては,平成14年9月に発光された『ジャイナ教研究』第8号において「クマーリラとジャイナ教(上)-アートマン論を中心として-」として公表した.

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 宇野 智行: "クマーリラとジャイナ教(上)-アートマン論を中心として-"ジャイナ教研究. 8. 23-49 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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