研究課題/領域番号 |
13710029
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
吉野 巌 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 助教授 (60312328)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | メロディ認知 / 注意 / メロディの再認 / 処理水準 / 注意方向付け課題 / 調 / 旋律線 / メロディ再認 / 音高 / リズム / 異同判断課題 / 弁別 |
研究概要 |
本研究は、メロディ聴取時に方向付け課題で注意を向ける属性を操作することがメロディの再認に影響を及ぼすかどうかを調べた。すなわち、メロディ聴取時に注意を向ける特徴を様々に変化させることによって、その記憶成績が異なるかどうかについて調べた。実験1では、音高比較、調判断、テンポ評定、拍子判断、好嫌評定の5つの注意方向付け課題の条件でメロディの偶発学習を行ったところ、再認テストの成績に課題条件間の違いは見られなかった。実験2では、音数カウント、音高比較、旋律線描画、調判断、の4つの注意方向付け課題の条件でメロディの偶発学習を行ったところ、再認テストの成績に課題条件の主効果が見られ、音数、音高、旋律線、調、の注意課題の順で再認数は多くなった。音楽経験による違いが認められ、音楽経験下位群に関しては旋律線条件の成績が最も高くなったのに対し、音楽経験上位群に関しては調課題条件の再認成績が目立って高く、逆に旋律線条件は音高条件よりも低くなった。実験2の結果が課題条件間の処理の違いを妥当に反映させているとするならば、この結果は処理水準理論で説明することが可能である。すなわち、音数課題は非常に浅い処理、音高課題は浅い処理、旋律線課題は中程度の処理、調課題は深い処理、ということになる。この処理のレベルの違いは、部分的には梅本(1996)に一致するほか、阿部(1995)のメロディの知覚的体制化における"抽象化のレベル"にも一致する。特に、音の高さに基づく3つの側面については、音高は表層的特徴、調は構造的特徴、旋律線はその中間的な特徴、と位置づけることができよう。
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