研究課題/領域番号 |
13710055
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
|
研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
大森 美香 京都教育大学, 教育学部, 講師 (50312806)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | ヘルスリスク行動 / 青年期 / 認知的発達 / 自尊感情 / 社会規範 / 危険知覚 / モデル検証 |
研究概要 |
本研究の目的は、青年期ヘルスリスク行動を規定する心理社会的要因を明らかにすることである。具体的な手段として、ヘルスリスク行動を記述・予測する概念モデルを構築し、実証的に検証することを進めてきた。 昨年度は、1)青年期ヘルスリスク行動記述のための概念モデルの仮説構築、2)ヘルスリスク行動の特定、3)ヘルスリスク行動に関連する心理特性を測定するための尺度の選定を行った。本年度は、昨年度の実績にもとづいて、概念モデルを実証的データにより検証し今後の展開について検討を加えることを目的とした。 概念モデルとして、Iwrin & Millstein(1992)によるBiopsychosocial Modelが選択された。その理由として、Biopsychosocial modelが、青年期の心理社会的発達の各側面、ヘルスリスク行動、その認知の関連を最も包括的に説明するものと判断されたためである。大学生808人を対象として、ヘルスリスク行動、青年期に特徴的な心理社会的特性(自己中心性、自尊感情、知覚された社会規範、危険知覚)に関する調査を行った。Irwin & Millstein(1992)によるBiopsychosocial Modelを参考に、心理的発達が危険知覚を媒介しヘルスリスク行動関与に影響を与えるとの仮説を構築し、共分散構造分析を用いて要因間の因果関係を検証した。認知的発達(自己中心性)が直接ヘルスリスク行動を予測するする一方、自尊感情と社会規範は、危険知覚を媒介して、リスク行動に寄与することが明らかになった。Biopsychosocial modelでは、個人の自尊感情が高ければ危険を高く知覚する傾向があり、結果としてヘルスリスク行動への関与が低くなることを仮定している。しかし、今回の調査では、高い自尊感情が低い危険知覚とヘルスリスク行動への関与の度合いが高いことを予測することが明らかになり、Biopsychosocial modelの仮説とは逆の結果が得られた。今後、より低い年齢層を対象とした調査を行い、より精緻なモデル検証を行っていく必要があると考えられた。
|