研究課題/領域番号 |
13710059
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
高木 光太郎 東京学芸大学, 国際教育センター, 助教授 (30272488)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 知的障害者 / 取り調べ / 事情聴取 / 供述心理学 / 反対尋問 / 最近接発達領域 / 想起 / コミュニケーション |
研究概要 |
本研究では知的障害者を対象とした複数の取調べ、事情聴取事例におけるコミュニケーションの混乱の構造を談話構造分析、文体分析などの手法をもちいて詳細に分析することで得られたデータをもとに、知的障害者への適切な取調べ、事情聴取を可能とする技法を定式化し、会話の微細過程に注目する取調べ、事情聴取の適切性評価技法の開発することが試みられた。 本研究における成果の主要な特徴は、上記技法の定式化および技法開発において、いわゆる反対尋問的コミュニケーションに注目したことである。反対尋問的コミュニケーションにおいては供述者・証言者を意図的に混乱させ、証言の信用性を厳しく吟味する。これに対して知的障害者を対象とした従来の尋問技法研究ではこうした混乱をできるだけ排除する方略がとられていた。これに対して本研究では知的障害者への尋問に対しても「適切な混乱」を生じさせることがむしろ必要であり、また「適切な混乱」は信用性評価の技法上も有用なインデックスとなりうることが示された。 本研究ではまた「適切な混乱」と「コミュニケーションの破綻」を区別するための理論的枠組みとしてL.S.Vygotskyによって提唱された最近接発達領域概念における相互作用の構造が援用できることが示された。
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