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いじめられ体験をもつ被害者のアイデンティティ

研究課題

研究課題/領域番号 13710074
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関九州大学

研究代表者

田中 健夫  九州大学, 大学教育研究センター, 助教授 (20294986)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードいじめ / shunning / アイデンティティ / 対処過程 / 物語 / 喪失
研究概要

1.昨年度に施行した質問紙調査(回顧法)および半構造化面接の逐語録を作成して分析を行った。結果の一部は論文(11.欄に記載)にまとめており、その概略は以下の通りである;
(1)いじめ被害経験者の約1/4が何らかの"物語"をもって対処をしており、その内容は(1)マスメディアが流す情報や伝記などが供給する、社会に既存の物語に依拠する場合と、(2)一般的な言葉や格言ではあるものの重要な他者(多くは親)がもたらした場合の大きく二つが認められた。これらの物語は、いじめた加害者の側にみいだされる理由、なぜこの自分が被害にあったのか、そのような被害を受けた者の将来像などの手がかりをもたらすことによって被害者の対処とアイデンティティに影響を及ぼし、また物語によっていじめに対する認識も変化していく可能性が示唆された。
(2)以上をふまえ"物語"の内容分類(5カテゴリー)それぞれについて、事例分析を行った。「加害者を取るに足らないと見下す物語」は、加害にまつわる物語をもつことにより、たまたま自分が標的になったに過ぎないという事態の相対化には寄与するものの否定的な影響が残ること、「加害者への復讐や仕返しとしての自殺の空想」は共同体感覚をもたらしうること、「特別という感覚を生む物語」は、違いに不寛容となる思春期から青年期前期においてアイデンティティ感覚を支える非常に強力なモデルとして作用すること、「被害の意味づけを肯定的な方向に移行させる物語」はいじめ自体を利用する方略であること、「格言など」は対人関係の敏感さ等の長期の亘る影響を及ぼすことが考察された。
2.1998年に施行した、いじめ被害者に対する質問紙およびロールシャッハ・テストのフォローアップ面接を2002年8月に行った。
3.2003年3月23〜25日、ACA(アメリカ・カウンセリング学会)総会に参加して、関連研究のレビューを行う予定である。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 田中 健夫: "いじめを意味づける"物語"についての探索的研究"学生相談(九州大学学生生活・修学相談室紀要). 4. 14-25 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Takeo Tanaka: "The Identity Formation of the Victim of Shunning"School Psychology International. 22(4). 463-476 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 田中 健夫: "大学生による過去のいじめられ体験認識と対処"日本教育心理学会第43回総会発表論文集. 554 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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