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二次生態系保全の社会的基準についての研究 ―「一心行の桜」と阿蘇の草原―

研究課題

研究課題/領域番号 13710113
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 社会学(含社会福祉関係)
研究機関佐賀大学

研究代表者

藤村 美穂  佐賀大学, 農学部, 講師 (60301355)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード二次生態系 / 村落 / 草原 / 発言力 / 二次的生態系 / コモンズ論 / 村落研究
研究概要

本年はこの二年間の総括として、二次的生態系をめぐる社会問題を、「発言力」という視点から論考(次頁参照)にまとめた。「発言力」という視点を採用したのは、権力や社会制度の問題としてとらえられていたのにたいして、ある社会的な場において所有(発言力)がいかにして形成されてゆくかというダイナミズムも視野にいれることができるからである。
本研究でとりあげている二次的生態系保全(阿蘇の草原)は、経済構造や生活様式の変化のなかで、むらの住人たちが以前のようなかたちで山や池を利用することがなくなった結果、「問題」として意識されるようになった空間である。論考ではまず、昨年来の調査にもとづいて、現在のむらは、「生産」を根拠としてとらえることができなくなったことをあきらかにした。
また、阿蘇の事例の場合、それが、下流の都市における川の水不足や災害など顕在化した環境問題を引き起こしていないにもかかわらず、自然は「荒れてきた」と認識され、都市からの働きかけがはじまっている。それにたいして、地元の人々がどのように答えようとしているかについての聞き取りをすすめた結果、そこには微妙なズレがあることがわかった。具体的には、草原の維持にも観光化(経済的な効果)にもつながっていく誘いにたいして、地元のむらは消極的な対応しかしないのである。
地域社会の構造や草原とのかかわりを調査するなかで、このような対応(草原への発言)に背景には、「責任を引き受けるのが誰か」という地域社会の内外にかかわる問題が潜んでいることがわかった。以上のことをふまえ、論考では一九八〇年代を中心とする村落社会学の研究史にも注目したうえで、現在のむらの、土地にたいする発言力が何を根拠にしているのかを考察した。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 藤村美穂: "阿蘇の草原をめぐる人びととむら-環境問題の視点から-"年報 村落社会研究. 38. 74-108 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 藤村美穂: "巨木をめぐる伝説と民俗"巨木は語る-佐賀県富士町における縄文の埋没巨木群と現存巨木群-. 24-25 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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