研究課題/領域番号 |
13710126
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
是永 論 立教大学, 社会学部, 助教授 (50275468)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 広告 / 異文化コミュニケーション / 会話分析 / オーディエンス研究 / 国際化 / マス・コミュニケーション / 言説分析 / 映像分析 |
研究概要 |
前年度のデータをもとに、会話分析やゴッフマン社会学からの理論的な考察と追加データの収集を行なった。 考察から、次のような解釈過程が実践されている可能性が導き出された。(1)一般の会話の相互作用に見られる「成員カテゴリー化装置」(Sacks[1972])が用いられることで、個々のアクターが峻別されていく。(2)(1)を受け手における相互的な基盤として当該の言説に対してアクターを関連づける"footing"(Goffman[1980])が明示的に行なわれ、これが「広告」においてしばしば見られる象徴としての言説の中間的な領域を理解する手がかりになる。(3)(2)の領域の相互的な成立によって、さらに「広告」が訴求する「新奇性」が実践的に理解されていく。 以上の結果から、当該の映像について、受け手個々の内部にある前提的な知識が絶対的な基盤となるのではなく、あくまでその場面で相互作用的に適用されていく知識が、当該の映像に対して適切に用いられていく中で、はじめて理解が達成されていくという点で、「広告を見る」という視聴行為がきわめて社会的な実践であることが示された。 本研究から、しばしば無前提に相互理解そのものが困難であるとされている、いわゆる「異文化状況」においても、人々がそのような社会的な実践の中で一定の理解を達成する可能性を持ち、またそのような理解が「母語を理解しない」ということだけによってはその不適切さを問われないという点で、国際的なインターネット普及やブロードバンド化による越境的な映像コンテンツの展開状況における「多文化的な映像視聴」という新たな社会的な行為についての分析視点が考えられ、その視点からさらに別の異文化間における視聴についても実験を行なった。
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