研究課題/領域番号 |
13710216
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 京都大学 (2002) 神戸女子大学 (2001) |
研究代表者 |
宮宅 潔 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (80333219)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 中国古代 / 裁判 / 出土文字史料 / 裁判制度 |
研究概要 |
本研究は二本の柱から成っていた。まず出土文字史料を用いて、春秋戦国時代から秦漢時代に至るまでの裁判制度に検討を加えるのが第一の、そして主たる柱であった。そしてもう一つの柱は、出土史料を十二分に活用するための基礎固めとして、木簡出土地における現地調査、さらには木簡実物の調査を行うことであった。 今年度はまず夏期に中国甘粛省の蘭州を訪問し、文物考古研究所において居延・敦煌から出土した漢代木簡を調査すると同時に、漢代長城周辺の峰火台遺跡の考査を行った。具体的には金塔県北で肩水金関周辺の遺跡を、敦煌市では玉門関以西の烽火台、および玉門関の東に位置する穀倉遺跡を調査し、長城に沿った防衛設備が如何なる立地条件の下に配置されているのかについて考察する上での情報を収集した。こうして得た知見は今後の研究に生かされるであろうし、またその一部はすでに拙稿「漢代敦煌戦線の展開と食糧管理」(『辺境出土木簡の研究』(冨谷至編、朋友書店)所収)のなかに盛り込んだ。 一方の裁判制度研究については、昨年度に公開された張家山漢簡《二年律令》の読解に重点をおいて取り組んだ。前漢初期の律令を抜き書きしたものとおぼしいこの史料は、従来は知る由もなかった新しい知見の宝庫であり、多くの先行する法制史研究に修正を迫るものである。ただしこれは他に類例が乏しい史料であり、かつ竹簡の配列自体に再考が必要な箇所もあるため、その読解は容易な作業ではない。それゆえに訳注を作成しつつ読解を進めてゆく作業は今年度中には完成に至らなかったが、将来的には完成した訳注を公表する予定である。
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