研究課題/領域番号 |
13710222
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西川 杉子 神戸大, 文学部, 助教授 (80324888)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 近世史 / ネットワーク論 / イギリス:ドイツ:スイス:アイルランド / 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究は、近代ヨーロッパの聖俗両面において歴史の推進力を果たしてきた宗教の役割を、特に17・18世紀のヨーロッパ北部のプロテスタントの国際的情報ネットワークに焦点をしぼって検討することが目的である。平成13年度は8月5日から9月10日までの期間に、国際的情報ネットワークの実態を詳細に明らかにするために、イギリス、ドイツ、スイス、アイルランドの文書館において多くの事例を発掘するように努めた。その際に(1)プロテスタント勢力圏の体制教会の記録、特に書簡や教会決議、および、体制教会の財政の支出先などを調査して、ローマ・カトリックが優勢であったヨーロッパ北東部のプロテスタントたちのために資金が使われた項目があるか、また銀行家の名前など挙げられていないか調査した。また(2)これらのプロテスタントヘの送金に使われた銀行家として、特にロンドンのホア銀行の記録を調査し、具体的な送金先を調べると同時に、ホア銀行のコネクションをできるだけ把握するようにつとめた。この調査で特に成果があったのは、ロンドンのキリスト教知識普及協会のプロテスタント支援に関する記録を、ドイツ、スイス、アイルランドにおいて発見できたことである。これは、宗派の異なるプロテスタント諸勢力が、カトリック勢力圏のプロテスタントについて、いかに互いに連絡をとりあい、どのように援助を行ってきたかという実態を明らかにするうえで、貴重な史料である。また、ホア銀行においても、キリスト教知識普及協会との密接な結びつきを示す文書と、さらに、これらのプロテスタントの結びつきがユダヤ人の金融ネットワークともかかわり合っていたことを示す文書を発見できた。今後は、これらの史料を具体的に検討していきたい。また本年1月にはロンドン・バーリントンハウスにおいて、これらの研究成果に基づいた講演を行い、他の研究者との意見・情報交換を行うことが出来た。
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