研究課題/領域番号 |
13710226
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
|
研究機関 | 跡見学園女子大学 |
研究代表者 |
石田 信一 跡見学園女子大学, 文学部, 助教授 (80282284)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | イストリア / クロアチア / ナショナリズム / 近代化 / 国民形成 / 地域主義 / 近代史 |
研究概要 |
イストリアにおける国民形成過程の実像を、一次史料を活用しつつ具体的に再構築し、そこで生じたさまざまな問題に検討を加えた。時代的には、ハプスブルク帝国時代、旧ユーゴ王国とイタリア王国に分断された両大戦間期、旧ユーゴ連邦時代、現代の4期に区分し、時代ごとに考察した。当該地域における国民意識の形成あるいは変化、とくにイストリア理念の成立過程とその実情を明らかにするとともに、クロアチア・ナショナリズムやイタリア・ナショナリズムとの関係、さらには周辺地域との関係を再検討した。その結果、イストリア理念はハプスブルク帝国時代末期にあたる19世紀末に誕生したが、この理念を標榜する同時代のイストリア自治主義はイタリア・ナショナリストの方便に過ぎず、住民の多くは自らをクロアチア国民の一部として認識していったことが明らかになった。また、イストリア理念が両大戦間期にはイタリア王国からの分離を支えるものとなったこと、さらに現在では旧ユーゴ連邦解体過程で生じた過激なクロアチア・ナショナリズムに対抗する性格を帯びていることを指摘し、その連続性が乏しいことも解明された。 なお、これまで入手していた一般的な研究資料の分析とあわせて、イストリア地方を分割領有するクロアチア、スロヴェニア、イタリアを訪問し、ザグレブ、リイェカ、パジン、プーラ、コペル、トリエステなど各地の研究機関・図書館・史料館で研究資料の補充・確認作業やザグレブ大学のスタンチチ教授、ロクサンディチ教授ら当該地域の研究者と意見交換を含む現地調査を実施した。これにより、上記の理論的枠組の妥当性が確認されたと考える。
|