研究課題/領域番号 |
13710227
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 高千穂大学 |
研究代表者 |
亀長 洋子 高千穂大学, 教養部, 助教授 (40317657)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 中世史 / 商人 / ネットワーク / イタリア / ジェノヴァ / 地中海 / 黒海 / 植民 |
研究概要 |
2年目の研究となる本年度は、まず、前年度から始めていた、中世ジェノヴァ人の黒海進出に関する事実関係の整理と研究動向について、現段階での成果をまとめることに力を注いだ。その内容は「中世ジェノヴァ人の黒海」という表題の論考として刊行された。その過程で多くのことが明らかになったが、その一つに、この地域でのジェノヴァ人のネットワークについて、具体的な「線」の実証を伴った先行事例研究は、ほとんどないという点がある。個別商人の検討の重要性が再確認された。また、この作業過程で、二つの点において、当初の研究計画からの小さな方向修整が必要になった。一つは、ジェノヴァ人のこの地域での三大拠点のうち、キオスについては、その特殊性から検討対象からはずすことを当初考えていたが、ネットワークの「線」を描くためにこの地は切り離せない地域である、という点である。現在、この地についての研究文献収集・読破と史料分析も同時並行で行っている。もう一つは、この分野の先行研究が極めて豊富であり、背景の知識を有しつつ数多くの史料を読解するためには、ビザンツ史や東欧史の先行研究を網羅的に参照する必要があるという点である。それゆえ、文献収集に予算の多くを使うことになった。検討中の各種史料は、ジェノヴァ側の公文書ではあるが、ジェノヴァ人はもちろんのこと、ギリシア人ほか外国人の名前が散見される。そうした人物の個人情報を、多数の史料・研究書から収集することにより、実証性の高い形でこの地域におけるネットワークが解明できる。この作業を今後とも続けていく予定である。
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