研究課題/領域番号 |
13710232
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉井 秀夫 京都大学, 文学研究科, 助教授 (90252410)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 百済 / 馬韓 / 考古学 / 対外交渉 / 栄山江 / 錦江 / 製作技術 / コウヤマキ / 武寧王陵 / 中国製陶磁器 |
研究概要 |
本年度も、韓国と日本国内において、百済の対外交渉を考察するために必要な考古資料の収集と実見調査をおこなった。まず韓国では、平成14年12月25日〜29日の間、国立中央博物館・全南大学校博物館・東信大学校博物館・木浦大学校博物館・耽津ダム水没地区発掘調査現場・国立光州博物館を訪問して、関連遺物の見学・検討をおこない、林永珍・韓盛旭・李正鎬の諸先生から最近の研究動向についてのレビューを受けた。さらに全南大学校では、本課題の研究成果の一部を、「日本出土馬韓系土器の諸問題」という題目で講演した。今回の調査により、栄山江流域の土器の地域性を明らかにする手がかりをえることができた。 次に日本国内での調査は、京都府・奈良県・大阪府・和歌山県・福井県・岡山県・愛媛県・福岡県・長崎県・宮崎県で、関係資料の実見調査をおこなった。その結果、形態や製作技術上の特徴から、岡山県天狗山古墳出土蓋杯や京都府中臣遺跡出土短頸壷などは、栄山江流域産である可能性が高いことを確認した。一方、奈良県唐古・鍵遺跡出土短頸壷のように錦江流域からもたらされた可能性が高い土器もみいだすことができた。 2年間の研究を通し、これまで漠然と「馬韓系」・「百済系」とされてきた考古資料を集成・検討し、その製作地と搬入ルートを、ある程度まで明らかにすることができた。そうした考古資料は、3世紀から6世紀にかけて継続的に日本列島各地に持ち込まれており、時期ごとの出土様相は、百済と倭の交渉関係の変化のみならず、百済の国家形成過程とも密接な関係をもつと考えられる。
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