研究課題/領域番号 |
13710236
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大坪 志子 熊本大学, 文学部, 助手 (90304980)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 縄文系管玉・勾玉 / 擦り切り / 小型化 / 農耕(畑作) / 韓国先史時代勾玉 / コの字型勾玉 / 管玉 |
研究概要 |
九州における玉作りの動態について、大陸における玉製品との関連について検討するため、現在までにしられる石製装身具について資料のデータベースを作成した。特に、縄文系管玉・勾玉と、弥生時代の管玉・勾玉との関連に注目し、縄文系の玉が登場する縄文時代後期からの資料について集成を行なった。日本についてはこれまでの研究で九州が一つの文化圏を形成することが分かっているので、九州を範囲といした。朝鮮半島については、すでに自身で行なってきた集成に新たな資料を加えた。中国については、内蒙古自治区・遼寧省・吉林省・黒龍江省を対象とした。時期は、日本を起点に据え、順次遡上する時間設定をし、参考として若干下る時期のものも含めた。中国は新石器時代を(一部青銅器時代を含)、朝鮮半島は新石器時代から青銅器時代までである。 これまで、九州における縄文系管玉・勾玉については、朝鮮半島との関連につていは否定的な見解が主流であった。しかし、縄文時代後晩期の管玉や勾玉の出現は、それまでにない小型化した丸玉(小玉)や獣形などを伴う全く新しい製作意匠を備えたもので、これらの組合せは朝鮮半島から中国東北地方まで認められる。朝鮮半島においても、新石器時代から少数の資料は見られるが、九州の縄文時代晩期初頭相当期頃から玉作りが急激に盛行し始める。九州と比較した場合、九州より先行するとは言い難いが技術的な側面等からみれば、同時期の九州より玉作りは発達していたようだ。晋州大坪里遺跡に先行する玉作り遺跡の存在も予想され、玉の拡散には農耕の広がりが関連すると思われる。また、九州内の勾玉のから定形勾玉への変遷過程を想定できた。縄文と弥生の玉は異質なものではなく、縄文時代に朝鮮半島から伝えられたものが弥生時代に定形勾玉へと発展したと考えられる。
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