研究概要 |
本年度は,平安時代から院政期にかけて書写されたとされる私家集の異体仮名のデータベース作成を中心に行った. ・『古筆学大成』十七巻(小松茂美編・講談社1991)を中心に私家集のテキスト化を行った。字母情報タグを付すなど異体仮名データベース化を試みた。主な資料は次の通り。遍昭集(伝源俊頼筆)・棟梁集(伝藤原公任筆)・敏行集(伝藤原定家筆)・千里集(伝寂連筆)・素性集(伝藤原公任筆・伝源俊頼筆)・興風集(伝紀貫之筆名家家集切・伝源俊頼筆)・躬恒集(伝藤原行成筆本・伝藤原公任筆・伝西行筆)・友則集(伝藤原為家筆)・是則集(伝紀貫之筆名家家集切・伝藤原佐理筆)・深養父集(伝紀貫之筆名家家集切・伝藤原行成筆升色紙・伝紀貫之筆)・兼輔集(伝紀貫之筆名家家集切・伝藤原公任筆砂子切・伝寂連筆本願寺本兼輔集切)・伊勢集(伝藤原公任筆本願寺本・伝世尊寺行尹筆)・宗于集(伝藤原定家筆)・敦忠集(伝藤原行成筆・伝藤原公任筆)・貫之集(伝紀貫之筆自家集切・伝藤原行成筆・伝藤原公任筆) ・上記のテキストについて画像データベースを作成した。画像データベースは字母ごとあるいは異体仮名ごとに整理・比較することが可能である。 ・上記のデータベースについて一部分析を行った。異体仮名の選択について互いによく似ているといわれる「高野切古今和歌集第二種」と「名家家集切」を対象に、両者の異体仮名の使用状況について分析・記述を行った。 ・院政期書写とされる草仮名資料についてデータベース化を行った。テキスト化と画像データベース作成を行った。
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