研究課題/領域番号 |
13710251
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国文学
|
研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
中村 史 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (20271736)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 三宝絵 / 本生譚 / ジャータカ / スタソーマ / カルマーシャ・パーダ / 持戒波羅蜜 / 六波羅蜜 / 真実語 / 真実 |
研究概要 |
平成14年度科学研究費補助金による活動報告。6月に研究発表(仏教文学会大会・於明治大学、論題「スタソーマ王本生譚のもうひとつの側面」=(1))および資料収集(於東京大学東洋文化研究所)のための出張、9月に研究発表(唱導文学研究会・於京都女子大学、論題「スタソーマ王本生譚の原型と展開(三)」=(2))および資料収集(於立命館大学)のための出張、ほかに資料収集を中心とした出張を3回行った。また、今年度前半には論文「スタソーマ王本生譚と『三宝絵』」(=(3)→『伝承文化の展望』・三弥井書店)を、また後半には「スタソーマ王本生譚の原型と展開」(=(4)→『仏教文学』第27号)を執筆。-前掲「スタソーマ王本生譚と『三宝絵』」((3))では、平安時代初期成立の仏教説話集『三宝絵』上巻第二話のスタソーマ王(「須陀摩王」)本生譚を取り上げている。「持戒波羅蜜」(持戒の完成)を説く本話を『大智度論』『六度集経』の類話と比較・検討して、この話は本来「持戒波羅蜜」を教えるものではなかったようだと述べた。仏教文学会大会研究発表((1))および同学会の学会誌『仏教文学』に掲載された論文「スタソーマ王本生譚の原型と展開」((4))では、以上の論をさらに進め、『旧雑比喩経』「雑比喩経』『僧伽羅刹所集経』、そしてパーリ語仏典の「マハースタソーマ・ジャータカ」「(ジャータカ)ニダーナ・カター」『チャリヤー・ピタカ』の類話と比較・検討した結果、このスタソーマ本生譚は本来「真実語」の説話であっただろうと述べた。唱導研究会の研究発表((2))では、スタソーマ王本生の「真実語」のありかたについて、ヒンドゥー教叙事詩の『マハー・バーラタ』に記録されている関連話と比較し、その形成と意味について何点かのことを述べた。これについてはさらに論を進め、平成15年度に学会発表を行う予定である。
|