研究課題/領域番号 |
13710263
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国文学
|
研究機関 | 米子工業高等専門学校 |
研究代表者 |
原 豊二 米子工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (50311064)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 稽古有文館 / 百番歌合 / 鉄槌 / 古典籍 / 河本家 / 書誌学 / デジタル保存 / 近世版本 / 菅家世系録 / 義経記 |
研究概要 |
稽古有文館(河本雅通氏邸)は、鳥取県東伯郡赤碕町にある旧家で、鳥取県による指定保護文化財となっている。同館所蔵の古典籍の整理・解読が、ここでの研究目的であった。江戸時代初期から明治時代前期までに書写、印刷された写本・板本、約4000冊から成る蔵書の中には、学術上、極めて重要と思われる和書・漢籍も多数存する。既に蔵書目録は、昨年度に完成を見たので、本年度は具体的に古典籍そのものに目を通すことに重点を置いた。一方で、最新技術によるデジタル処理を活用し、新たな書誌学の可能性を示すことができた。 本年度の研究実績は、以下の通りである。「稽古有文館蔵『百番歌合』翻刻と解題」(『専修総合科学研究』10号2002.11)として、同館所蔵の歌合集を公表した。地方の歌合を記し残したもので、幕末期の成立と考えられる。欠損部分も多いが、孤本であるため考察に値するところが多い。次に、「CD-ROM版徒然草古注釈書・青木宗胡著慶安元年初版本『鉄槌』」((株)エッグ2002.12)を公表した。『鉄槌』は、江戸時代を通じて最も普及した『徒然草』の注釈書である。本文をすべて載せた上、なおかつ注釈が簡便であるという形式は、読みやすさ、扱いやすさという点において、その当時、群を抜いていたと思われる。この度、稽古有文館から稀少である初版本が発見され、その保存状態も良好であったため、CD-ROM化を施した。加えて、総論として、『山陰中央新報』2003年1月17日付文化欄、『アドニス』30号2003.5(専修大学校友会総合情報誌)(予定)に、稽古有文館蔵書についてまとめたものを公表した。
|