研究課題/領域番号 |
13720035
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
笠井 正俊 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90283580)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 秘匿特権 / ディスカバリ / 訴訟上の情報開示 / 弁護士 / 最高裁判所規則 |
研究概要 |
アメリカ法において訴訟上の秘匿特権がどのように取り扱われているかについて研究を行った。その際、検討の前提となる訴訟上の情報開示(ディスカバリ)の制度や、訴訟に対する代替的紛争解決方法である各種ADRにおける秘密保持の措置をも視野に入れた。 研究の対象は、特に、弁護士と依頼者との間で交わされた情報の秘匿の可否についてであり、連邦および主な州における裁判所規則、判例および学説を調査・検討した。そして、伝統的に広範なディスカバリが認められている訴訟制度の下で、弁護士倫理の保持という要請と、訴訟における公正・適正な審理および判決の実現という要請とに基づいて、複雑な利害対立が生じ、裁判例の取扱いも必ずしも一貫したものとはなっておらず、当事者や弁護士にとって予測困難な状況が生じていることが理解できた。一方、秘匿特権の存在は、開示を一定の合理的な範囲に制限する制度的な安全弁となるので、ディスカバリ制度の存続自体にとってはプラスに作用していることも分かった。 また、訴訟以外の手続に関しても、倒産処理手続における弁護士・依頼者間の情報交換の保護と他の利害関係人の利益の保護との間に調整の難しい問題が生じていることが判明したので、この点については、平成13年12月に京都大学で行われた「弁護士倫理」ミニシンポジウムで報告をした。さらに、上記のように研究の一環となるディスカバリの制度やADRにおける秘密保持の措置に関しては、後記11のような雑誌論文を発表した。そして、これらの成果を踏まえ、訴訟上の秘匿特権の妥当範囲について、上記の調査・検討の結果をまとめるため、準備を進めている。
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