研究課題/領域番号 |
13720036
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木下 孝治 大阪大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (00263187)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 生命保険 / 損害保険 / 保険業規制 / 金融サービス法 / 金融商品販売法 / 投資契約 / 保険契約 / 保険 / 金融サービス |
研究概要 |
本研究の成果は、英国における損害保険募集の自主規制態勢につき、英国保険会社協会(ABI)から英国損害保険基準協議会(GISC)に移行する際の制度枠組及び自主規制ルールの特徴を明らかにしたことである。EC指令のレベルでは、損害保険商品の事前開示規制は生命保険よりもきわめて簡略なものにとどまるが、英国では、損害保険においても商品開示の自主規制ルールが1980年代から存在しており、規制の実効性確保についても大きな関心が払われてきた。顧客に対する説明義務については、募集機関が独立的であるか従属的であるかによる区別を認めず、顧客の属性による区別のみが認められている。また、顧客の加入目的と商品の間の適合性を保障するためのルールも承認されている。自主規制を行う上で、損害保険は投資商品とは理念上区別されているが、結論上、投資商品と同様のルールが採用されているのは、購入目的に適合した商品の選択が契約目的を達成する上で欠かせないとの認識が共有されているためと考えられる。多様な保険募集機関の規制類型についても、保険会社が募集機関の行為につき責任を負うか否かを規準とした分類がなされ、仲立人としての性質決定が紛争解決上重要な意味を持たないことを前提とした制度設計となっている。これらの規制理念は、2002年EC保険仲介指令にも反映されており、募集機関の規制ルールは、英国では、同指令の下、自主規制ルールを概ね承継した制度が制定法化される見込みである。 生命保険募集を金融サービス法構想にどのように位置づけるかの問題については、生命保険の貯蓄性・投資性をいかなる意味で法的ルールに反映させるかを模索する作業が続いている。英国では、投資的生命保険はパッケージ商品として投資信託とパラレルな規制に服するが、規制理念の変革は、市場に変額保険が投入され始めた1970年代の保険会社法改正にまで遡るのである。
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