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社会福祉事業における「社会」連帯のあり方に関する法学研究

研究課題

研究課題/領域番号 13720042
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 社会法学
研究機関北海道大学

研究代表者

倉田 聡  北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (90261263)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード社会福祉事業 / 社会連帯 / 父母の会 / 生活支援事業 / 社会福祉協議会 / 運営適正化委員会 / 成年後見制度 / 苦情処理 / 父母会
研究概要

今年度は、まず社会保障制度における「社会連帯」の規範的意義を解明する作業を開始した。従来、社会保障制度において「社会連帯」が存在し、もしくは歴史的にも「社会連帯」を背景としてきたといわれる制度に「社会保険」がある。わが国の場合、「社会連帯」に最も親和的な制度は、健康保険法に規定された健康保険組合であり、その健康保険組合が抱える最大の問題が老人保健法に基づく老人保健拠出金制度である。昭和50年代半ばに誕生した老人保健制度は、昭和48年に成立した老人医療費無償化施策により財政困難に陥った市町村国保を被用者保険の保険者が財政的に支援する仕組みとして誕生した。
通常、このような組織は、社会保険の保険者相互の助け合いシステムとして構想されるが、わが国の場合は諸般の事情からそのようなシステムとしては理解されにくいものとなってしまった。しかし、現在の医療制度改革論における老人保健拠出金制度の重みを考えるならば、やはり財政調整制度としての本質論すなわち助け合いという精神に立ち戻った検討が必要である。以上の点は、後掲の「老人保健拠出金制度の問題点と健康保険事業の可能性」論文において詳細に論じ、その趣旨および結論は厚生労働省の政策担当者からも非常に高い評価を得ている。そして、今年度は、この検討を受けて、さらに「社会連帯」論を社会福祉の領域にも拡張すべく、考察を深め、後掲の「社会連帯の在処(ありか)とその規範的意義」論文において、その総まとめを行った。すなわち社会福祉事業においても社会保険事業およびその財政調整制度としての老人保健事業と同様に、関係当事者間の相互扶助という側面が存在し、その相互扶助としての性格からくるさまざまな規範が重要であるとの結論に達した。
最後に、今年度は、フィールドワーク的な研究として、前年度より引き続いて社会福祉法人「黎明会」での調査を行った。「黎明会」の設置する保育所について、利用家庭88に対し、アンケート調査を行い、55家庭より有効回答を得た。これらの調査結果は、近く発表する論文において十二分に活用する予定である。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 倉田 聡: "社会連帯の在処(ありか)とその規範的意義"民商法雑誌(有斐閣). 127巻4・5号. 612-641 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 倉田 聡: "老人保健拠出金制度の問題点と健康保険事業の可能性(下)"健康保険(健康保険組合連合会). 56巻11号. 48-57 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 倉田 聡: "老人保健拠出金制度の問題点と健康保険事業の可能性(中)"健康保険(健康保険組合連合会). 56巻10号. 40-48 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 倉田 聡: "老人保健拠出金制度の問題点と健康保険事業の可能性(上)"健康保険(健康保険組合連合会). 56巻9号. 22-29 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 倉田 聡: "医療制度改革の意義と問題点"フロンティア180(北海道町村会). 40号. 46-49 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 倉田 聡: "支援費支給制度をめぐる法律問題"ジュリスト(有斐閣). 1204号. 19-24 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 倉田 聡: "保険診療と自由診療(自費診療)の使い分けに必要な知識"治療(南山堂). 83巻7号. 85-90 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 倉田 聡: "医療保険法の現状と課題"日本社会保障法学会編講座社会保障法4巻(法律文化社). 44-69 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 倉田 聡: "ドイツの社会保障制度におけるセカンド・オピニオンの機能"現代のエスプリ(至文堂). 416号. 86-95 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 倉田 聡: "これからの社会福祉と法"創成社. 145 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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