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刑事裁判における、当事者および裁判官の、証拠評価をめぐるコミュニケーションの研究

研究課題

研究課題/領域番号 13720052
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 刑事法学
研究機関大阪経済法科大学

研究代表者

中川 孝博  大阪経済法科大学, 法学部, 助教授 (40330352)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード合理的疑いを超えた証明 / 証拠 / 事実認定 / コミュニケーション / 裁判官 / 少年法 / 検察官関与
研究概要

前年度の研究成果をふまえ、本年度においては次のような研究を行った。
第一に、様々な事件の生の記録を収集し、当該記録にあらわれている。訴訟関係者のコミュニケションの有り様につき分析を行った。例えば公判廷でなされた証人尋問のやりとりを、プロトコル分析の手法を応用して分析を行った。この検討は現在継続中であり、関係者のプライバシーに配慮した公開方法を検討中であるため、結果の公表は来年度以降に回さざるを得ない。もっとも、その過程において接した心理学者や隣接科学者のアプローチにつき、証人尋問に関する規則や実務慣行について十分にふまえられていないものが多く、データのコンテクストを見誤っている危険が高いと感じられたので、ある心理学者の事件分析に対する批判という形で訴訟関係者のコミュニケーションを分析する際に注意すべき点について問題提起を行った(中川孝博「証人尋問におけるコミュニケーション研究の方法-事実認定の適正化の観点から」法と心理2巻1号24頁参照)。
第二に、主として関係者のヒアリング調査を通じて、少年審判における検察官関与の問題点について検討した。事実認定の適正化をはかるために導入された検察官関与だが、実際に当初意図された機能を果たしているかにつき、調査を行ったのである。その結果、現在の実務の動向をみるかぎり、事実認定の適正化という観点からみて検察官関与には問題点が多いことが示唆された。少年審判における事実認定の適正化は、萎縮しがちな少年の意見表明を十全に保障し、裁判官等の訴訟関係人とのコミュニケーションが円滑になされることによってはかられるべきだが、この点に配慮しない検察官も多く、また、この点を十分に考慮しないで検察官関与決定を行う裁判官も多くいることが明らかとなった。この研究成果については、来年度に正式に公表される予定である。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 中川孝博: "情況証拠による事実認定--札幌地判平13・5・30"法学セミナー. 570号. 112 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 中川孝博: "証人尋問におけるコミュニケーション研究の方法--事実認定の適正化の観点から"法と心理. 2巻1号. 24-29 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 中川孝博: "合理的疑いを超えた証明--刑事裁判における証明基準の機能"現代人文社(成澤嘉信). 320 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 中川 孝博: "刑事裁判における事実認定研究試論(一)"大阪経済法科大学法学研究所紀要. 33. 1-16 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 光藤景皎先生古稀祝賀論文集編集委員会: "光藤景皎先生古稀祝賀論文集下巻"阿部耕一(成文堂). 520 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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