研究課題/領域番号 |
13730045
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
長谷川 勉 日大, 商学部, 助教授 (90237975)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 非営利 / 金融 / 協同組織 / 信用金庫 / 信用組合 / 労働金庫 / マイクロファイナンス |
研究概要 |
非営利型金融組織における国際比較研究をおこなった。まず、ヨーロッパにおける非営利型金融組織に対して、インタビュー調査をおこない、続けて、同地域におけるそれら組織の統計データ・アンケート等の蒐集を行った上で、分析をおこなった。他方、日本においても、類似組織の実態調査及び文献蒐集とその解釈をおこなった。 一連の作業から現段階において以下のようなことが途中経過として解明された。まず、依然として、非営利型金融組織の中心は、協同組織型であるということ。次に、ガバナンス・出資形態が協同組織とは異なり、全く新しいタイプの非営利型組織が登場し、しかも高い成長率を維持しているということ。第三に、それらの現象は、地域固有の条件に規定されるが、大枠においては、他の非営利組織の運動の発展理由に依拠しているということ。第四に、様々なタイプに分類する先鞭を本研究においてつけることができたが、その多様性にもかかわらず、類似性を有し、しかも収斂する可能性を秘めているということ。第五に、それぞれの組織がもつ独特の金融サービスの手法は相互にコピーが可能であるということ、ただし、受容側を取り巻く経済的・社会的条件を吟味した上で、手法を変容させる必要はある。そのことによって、相互依存的に発展する可能性はある。第六に、既存非営利型金融組織は、世界的にみて停滞傾向を示している。これは、これら組織のミッションが否定されたというよりも、その方法が問題となっていると言えよう。というのも、その間他の新しい組織がそのニッチに進出する傾向があるからだ。故に、既存組織の再生はニースがある限り急務となっている。 以上のことから、本研究によって、非営利型金融組織の存立条件、タイプ、発展条件等が解明されたと考えている。
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