研究課題/領域番号 |
13730050
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
|
研究機関 | (財)国際東アジア研究センター |
研究代表者 |
戴 二彪 財団法人国際東アジア研究センター, 研究部, 上級研究員 (20300840)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 中国人 / 国際移動 / 転出地・転入地構造 / 新華僑 / 高学歴 / 先進国 / グローバル化 / 格差 / 中国 / 国際 / 人口移動 / 規模 / 地域構造 / 華人ネットワーク |
研究概要 |
平成14年度において、本研究代表者は、平成13年度の研究に続き、更なる調査・分析を行った。中国における出入国統計は全く整備されていないため、平成13年度は、まず米国・欧州・日本など主な移動先での現地調査を含めて関係諸国の多時点(1980年・1990年・2000年など)人口センサスデータ・出入国統計データなどの大量な資料を収集した。また、これらの資料に基づいて、1980〜2000年の中国から海外への人口移動の規模及びその地域構造を大体推定した。平成14年度には、主要関係国における中国人移動者の年齢・性別・職業状況・転出地(省)などについてより詳しい資料を収集し、移動要因に関する関連分析を行った。 集計分析結果を見ると、1980〜2000年の間に、中国本土から海外への「新華僑」の人口移動規模は250万人を超えており、「老華僑」の故郷である福建省と広東省からの転出も多いが、平均所得水準が相対的に高く、主要大学・研究機構が集中している北京市・上海市およびその周辺地域からの転出が最も目立っている。また、香港への移住者を除けば、「新華僑」のほとんどは、欧米・日本など先進諸国に移入している。「新華僑」のこのような転出地・転入地構造は、主に東南アジアに分布している「老華僑」のそれと明らかに違う。一方、移動時期や移動先によって「新華僑」の移動目的、学歴構造、出身地構造などにはかなりの差異と変化があると見られる。 多国間の国際人口移動データ及び二国間(中日、中米、中国-カナダ)の移動データを用いて実証分析を行った結果は、新華僑の国際移動パターンを説明するためには、従来の新古典派経済学のsupply(push)とdemand(pull)理論だけでなく、World system theory、Risk minimization theoryなどの視角からの考察も非常に重要であることを示している。 本研究の成果は、一部を英文・日本語学術誌に投稿していると同時に、その中国語版は2003年中に上海社会科学院出版社より出版される予定である。
|