研究課題/領域番号 |
13730069
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小原 英隆 明治大学, 商学部, 助教授 (60272506)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 株式投資信託 / ファンド・マネジャー / 銘柄選択 / 投資信託 / 株式市場の効率性 |
研究概要 |
本研究は、日本の株式投資信託に関するデータと銘柄情報を使って、投資信託の計量的実証研究を行った。本研究では、シャープ比率、Jensen比率など、すなわち、結果としての全体の運用成績数字だけを単に分析する「ハイテク」分析は、現下のマイナス運用下では困難なので、いわば「ローテク」ではあるが、ミクロ的銘柄選択の中身まで踏み込んだ詳細な研究を行った。 本研究では、ファンド・マネジャーの運用手腕を計量的に認識する手法を考案した。日銀短観調査における企業の予測と実際の乖離を図にした「ヒゲ図」の概念を投資信託の銘柄選択に応用する。本研究では、各投信会社の旗艦アクティブ・ファンドなど中心に、事後的に公表される銘柄選択行動を分析した。ポートフォリオを上位銘柄でmagnifyして固定したら、基準価額がどう動くかをトレースし、実際の基準価額との間の「差分」を取ることによって、ファンドマネジャーの機動力、判断力を第一次近似として定量化することができる。実際のところ、多くのファンドで、組み入れ銘柄の1位は、インデックスと同じNTTドコモであり、銘柄選択とパフォーマンスにおいて、大した特徴は見られない。ただし、独立系の投信や、C社のある投信では銘柄選択に大きな特徴が見られる。それらは、大胆な銘柄選択が裏目に出た時期もあるが、インデックスとは異なるパフォーマンスをあげている。他方、日本の投信の運用レベルを上げることが予想された外資系のファンドも、ITバブルの崩壊後はさしたる成果を上げていない。ITバブル崩壊後は、成長株への集中投資が裏目に出て、かえってインデックスを下回っている傾向が見受けられる。これは、ファイナンスの効率市場仮説との関連で、ストロング・フォームの成立に否定的であり、また具体的には株式市場におけるreturn reversalの一つの実証となっていると言える。
|