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日本的企業間関係での脱系列化にみられる連結度と信頼関係の変動のネットワーク分析

研究課題

研究課題/領域番号 13730082
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 経営学
研究機関京都大学

研究代表者

若林 直樹  京都大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80242155)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード組織間信頼 / 社会的ネットワーク / コミュニケーション / 埋め込み / 購買関係 / 外注品質管理 / 関係的信頼 / 強凝集性 / ネットワーク / 系列 / 信頼 / 企業間関係 / 直接連合
研究概要

今年度は、企業間での信頼関係が、そこでの社会的ネットワークにおけるコミュニケーションにより発展するメカニズムについて「新しい経済社会学」の「埋め込み」理論に基づいて理論的検討や実証的分析を行った。Rowley et al. (2002)は、Uzzi(1996)やGulati(1998)らの「埋め込み」理論に基づき、企業間での社会ネットワークは二つの次元で信頼関係を発展させると整理した。まず個別的な関係に発展する互酬関係が、企業間での互いの互恵性の意思を発達させて「関係的信頼」を高める。第二に評判情報を高度流通させられる企業間ネットワークがある場合には、企業間で相互の能力や行為成果についての期待が形成しやすい。この議論に基づき、前年の電機メーカー東北リコーと東北パイオニアでの企業間の生産系列における外注企業協力会の品質管理をめぐるコミュニケーション・ネットワークの構造とその組織間信頼への影響について分析をした。その結果、外注企業協力会も二つのグループに分かれていた。まず相互に多元的な相互作用を行い強い紐帯を持っグループと、2社的な取引関係に留まり弱い結びつきを持つグループである。前者は紐帯の強さや凝集性の高さという個別的関係の強さを持つグループであり、非常に高い関係的信頼性を持ち、長期的取引や協力関係への無限定的な貢献の期待が高かった。この中核グループは、発注大手企業の加工過程を請け負い、品質改善への長期的取り組みを行っているものの数が限定されていた。生産系列はこのように2種類に分かれ、脱系列化においては、むしろ強い連結を持つ中核的な外注グループとそうでない流動的グループに分かれる傾向が強まるだろう。こうした点を組織学会や日本社会学会などで報告し、多くの研究者が支持的な評価を受けることが出来た。今後はこれが情報化・国際化でどのように変わるかを検討したい。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 若林直樹: "外注品質管理における組織間ネットワークと信頼:東北地方の電機メーカー外注協力会での埋め込みの分析"研究年報『経済学』(東北大学経済学部). Vol.64 No.2. 1-23 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 若林直樹: "企業間取引と信頼"佐伯啓思、松原隆一郎編著『<新しい市場社会>の構想』新世社. 195-232 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 若林直樹: "企業組織のネットワーク化"舩橋晴俊編著『講座・社会変動:官僚制化とネットワーク社会』ミネルヴァ書房. (近刊). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 若林直樹: "社会ネットワークと企業の信頼性"京都大学大学院経済学研究科ワーキング・ペーパーシリーズ. J-27. 1-14 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 若林 直樹: "組織間ネットワークにおける埋め込みと信頼のマネジメント"社会学年報. No.30. 219-238 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 若林直樹(田尾雅夫と共編著): "組織調査ガイドブック"有斐閣. 325 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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