研究課題/領域番号 |
13740008
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
望月 新一 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10243106)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | Hodge理論 / Diophantus幾何 / 楕円曲線 / 遠アーベル幾何 / p進 / 双曲型代数曲線 / 圏論 / 宇宙 / Diophatus幾何 / クリスタリン / P進 / Teichmuller写像 |
研究概要 |
14年度は、「Hodge-Arakelov理論」のDiophantus幾何への応用に向けて理論を具体的に定式化する上で大きな進展を見た。主な発見および新しく得た視点は次の通りである: (1)以前は、この応用を妨げている技術的な障害を取り除くための手段として、遠アーベル幾何によるアプローチを考えていたが、様々な理由により、13年度に検討していたアプローチでは不十分であることが判明した。しかし、遠アーベル幾何の精神を受け継ぎながら、Galois圏だけでなく、もっと一般的な圏や圏論によるアプローチが有効になる可能性が高いことが分かった。 (2)この圏論的アプローチを実現するための技術ないしは「言語」として、圏論や、集合論における「宇宙」の概念を活用した宇宙際幾何(inter-universal geometry)を開発した。 (3)圏論的なアプローチでは、遠アーベル幾何におけるGrothendieck予想に対応する様々な結果を証明した。その中で代表的なのは、log schemeの圏に関するものである。なお、最近では、このような結果を、archimedeanな構造が付いているlog schemeの場合に拡張し、またこの結果の延長線上にある理論の中で、数体上の大域的な数論的Frobenius射(=正標数の関数体上のp乗写像の類似物)という興味深い対象も構成している。 (4)Hodge-Arakelov理論との関係でいえば、以前考えていたHodge-Arakelov理論の基本定理である「比較同型」よりも、theta convolutionという対象による定式化の方が、圏論的なアプローチとの相性がよいことが分かり、そのような観点による、圏論とHodge-Arakelov理論との「融合」を推進することにした。 また、Diophantus幾何への応用と直接は関係ないが、正標数のコンパクト双曲型代数曲線のGrothendieck予想の証明の完成に向けて様々な技術的な進歩があった。
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