研究課題/領域番号 |
13740021
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
竹村 剛一 横浜市立大学, 総合理学研究科, 助手 (10326069)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 量子力学 / 量子可積分系 / Heunの方程式 / Calogero系 / Inozemtsev模型 / 楕円関数 / モノドロミー / 準可解性 / 楕円型Calogero-Moser模型 / 三角的Calogero-Sutherland模型 / 正則摂動 / Bethe仮設法 / 有限帯ポテンシャル |
研究概要 |
可積分な量子力学の模型であるInozemtesev模型について、研究結果を得た。 1粒子の模型であるBC1型Inozemtsev模型の固有値・固有関数を求めることは、4点に確定特異点をもつFuchs型の微分方程式であるHeunの方程式の解を調べることと同値であることが知られている。このBC1型Inozemtsev模型において、報告者はBethe仮設法を開発し、発展させた。この研究の過程において、有限帯ポテンシャルの理論との関係に気付き、これをもとにモノドロミーの超楕円積分による表示式を得て、固有値の分岐に対しての応用も導き出した。解の2つの積で楕円関数を用いて表示できるものが存在する、ということを用いて、ほとんどすべての解に対してBethe仮設法による表示ができることを発見したのだが、ここでの楕円関数がモノドロミーの超楕円積分による表示式に用いられている。 多粒子(N粒子)の模型であるBCN型Inozemtsev模型は準可解であるということ、つまり、模型のヒルベルト空間の中においてある有限次元の空間が模型のハミルトニアンにより保たれていることが既に知られているのだが、報告者は、この模型において可積分性と準可解性が整合的になっているということを示した。より詳しくいうと、可積分性における保存量に対応する作用素も準可解性に対応する空間を保っている、という結果である。 また、Inozemtsev模型を差分化した模型としてRuijsenaars模型というものがあり、この模型の有限次元不変空間としてテータ関数型の空間があることも知られているが、報告者はRuijsenaars模型からInozemtsev模型への極限において、テータ関数型の空間が準可解性に対応する空間に移行することを導出した。Inozemtsev模型の退化についても調べて準可解性に関連する結果を得た。
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