研究課題/領域番号 |
13740025
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
大野 泰生 近畿大学, 理工学部, 講師 (70330230)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 概均質ベクトル空間 / 多重ゼータ値 / 線型関係式 / ゼータ関数 / ゼータ函数 / 2元3次形式 / 母関数 / 多重ゼータ関数 / 母函数 |
研究概要 |
研究計画に基づいて1年間の研究活動を行った。概均質ベクトル空間のゼータ関数についての研究と、多重ゼータ値の線型関係式についての研究の進展状況は以下のとおりである。概均質ベクトル空間のゼータ関数のうちもっともその様相が奇怪かつ複雑なものである2元3次形式と3元2次形式のゼータ関数について、Zagier教授との昨年来の共同の研究を進化させ有効な成果を得た。これはこのゼータ関数について研究代表者が以前に提出した内部同値性の予想に対して、引き起こされている現象の原因を詳らかにする再証明を行うという課題に対し、この関数を2変数関数の特殊ケースとして扱うというものであり、標準的な2変数ゼータ関数の無理の無い特殊化として件のゼータ関数を得る方法を究明した。多重ゼータ値については、過去に予想を得ていた和公式の母関数の議論による証明を得ることに成功した。このことで、多重ゼータ値の環構造を具体的に把握する上で、等号付き多重ゼータ値を扱うことの重要性を指摘できた。結び目の不変量の計算を経由して得られていた関係式の再証明を得たことともあいまって、将来の多重ゼータ関係式からの幾何学的不変量への引き戻しにむけてひとつの重要な足がかりを得たことになると考えられる。年度末に招聘した金子教授・上野教授・村上教授との研究打合せはこれらの研究に大きな成果と更なる課題の明確化をもたらし有意義であった。昨夏には概均質ベクトル空間をテーマとするサマースクールを世話し、ここでも2元3次形式のゼータについて有意義な成果があった。
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