研究概要 |
1の分割の拡張問題に関して前年度に得ていた結果を発展させ、次の定理を得た.「位相空間Xの部分空間Aに対して,次は同値である.(1)A上の点有界な実数値同程度連続関数族をX上の点有界な実数値同程度連続関数族に拡張できる.(2)任意のフレッシェ空間Y対して,点有界なYへの同程度連続関数族をX上の点有界な同程度連続関数族に拡張できる.(3)AはXにP-embeddedである.」 Hausdorff空間XがHausdorff空間Zに埋め込まれるとき,X上の任意の実数値連続関数がXの各点で連続であるようなZ上の実数値関数に拡張できるためのXに関する必要十分条件を与えた.これは,A.V.Arhangel'ski1の2002年の問題を解決するものである.本研究成果を学術論文としてまとめ,10月に行われた京都大学数理解析研究所の研究集会「一般および幾何学的トポロジーにおける諸問題と応用」にて講演を行った. さらに,積空間における連続関数の拡張問題に関して,K-解析空間と弱P-空間の積空間についていくつかの結果を得た.これらは,奥山の1991年の積空間のパラコンパクト性に関する結果を発展させるものであり,このタイプの積空間は1の分割の拡張への応用が期待できるものである.さらに,位相空間Xとその部分空間Aに関して,任意の完備距離空間Yの対しA×Y上の実数値有界連続関数をX×Y上の連続関数に拡張できることの必要十分条件を与えた.これらの成果を学術論文としてまとめ,6月に行われた松江位相数学国際会議にて本研究内容の講演を行った.
|